腹部エコー検査

腹部エコー検査とは

腹部エコー検査は、別名「腹部超音波検査」とも言い、人間の耳では聴くことのできない高い周波数(20kHz以上)の音波をプローブという装置を用いて腹部に当てて体内を画像化する検査です。

腹部エコー検査に使用される超音波装置の様子(当院にて撮影)

腹部エコー検査では、お腹の中の臓器である「肝臓」「胆のう」「胆管」「膵臓」「腎臓」「脾臓」「大血管」「婦人科付属器」をリアルタイムに観察することが可能です。

正常な肝臓を示す腹部エコー画像(超音波検査)
肝臓のエコー像

腹部エコー検査は、放射線を使用したX線検査やCT検査と異なり被爆のリスクが無いため妊娠中および妊娠の可能性のある女性や小児にも安全に行うことが出来る検査です。

腹部エコー検査の方法

腹部エコー検査は、専門の超音波検査士が行います。検査は、CT検査やMRI検査などに比べて簡便に行うことが可能です。検査時間は、10~15分程度で終了します。

心電図を装着した様子(当院にて撮影)

STEP 01 事前の準備

腹部エコー検査を受けるためには、当日の朝の食事を抜いていただく必要があります。水分の摂取は、コップ1杯程度(200ml程度)の水ないしお茶であれば問題ありません。持病のお薬については、水分と一緒に内服をしていただいて問題ありません。

STEP 02 当日の検査

寝台に横になってもらい検査を行います。検査の際には、お腹にエコー検査専用のゼリーをつけてプローブという装置を当てて検査を行います。痛みはありませんので安心して検査を受けてください。検査中に呼吸を止めてもらうことがありますので、検査士の指示に従ってください。

STEP 03 検査結果説明

検査結果を医師から説明いたします。電子カルテで検査画像を確認しながら説明いたします。ご不明な点がありましたら直接担当医にお声がけください。

腹部エコー検査で分かる病気

腹部エコー検査では、下記のような臓器の状態やご病気が分かります。

肝臓:肝腫大、肝萎縮、脂肪肝、肝硬変、肝嚢胞、肝腫瘍、肝血管腫、肝周囲膿瘍など

肝細胞癌を示す腹部エコー画像(矢印付き)
肝細胞癌(矢印)
肝血管腫を示す腹部エコー画像(矢印付き)
肝血管腫(矢印)

胆のう:胆のう結石、胆のうポリープ、胆のう炎、胆のう腺筋腫症、胆のう腫瘍など

胆のう結石を示す腹部エコー画像(矢印付き)
胆のう結石(矢印)
胆のうがんを示す腹部エコー画像(矢印付き)
胆のうがん(矢印)

胆管:胆管結石、胆管炎、胆管腫瘍など

膵臓:膵結石、膵炎、膵嚢胞、膵腫瘍など

腎臓:腎結石、腎腫大、腎萎縮、水腎症、腎腫瘍など

腎結石・尿管結石を示す腹部エコー画像(〇マーカー付き)
腎結石・尿管結石(〇マーカー)

脾臓:脾腫、脾腫瘍など

前立腺:前立腺肥大、前立腺腫瘍など

前立腺肥大を示す腹部エコー画像(矢印付き)
前立腺肥大(矢印)

大血管:動脈硬化、血栓、動脈瘤、動脈解離など

婦人科付属器:卵巣嚢腫、卵巣腫瘍、子宮筋腫、子宮内膜症など

卵巣嚢腫を示す腹部エコー画像(〇マーカー付き)
卵巣嚢腫(〇マーカー)

*腹部エコー検査で、上記のようなご病気が疑われた場合には、「内視鏡検査」「CT検査」「MRI検査」などと併せて診断を行っていく必要があります。

健診で肝機能障害と診断された患者様へ

健康診断などでAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどの肝・胆道系の酵素が高いと指摘された患者様は、精密検査(2次検査)を受けていただく必要があります。

上記の肝・胆道系酵素が高い場合には、「肝炎」「アルコール性肝障害」「脂肪肝」などが疑われ、放置しておくと「肝硬変」「肝不全」などの重篤な状態になることもあります。適切な診察・診断・治療を受けていただくことをお勧めします。

脂肪肝を示す腹部エコー画像
脂肪肝

肝機能障害と診断された患者様は、当院の消化器専門外来をご予約の上ご来院いただきますようお願いいたします。

超音波エラストグラフィとは

エラストグラフィ(Elastography)は、肝臓の線維化を非侵襲的に測定することができるエコー検査の機能の一種です。肝臓の繊維化である、いわゆる肝臓の硬さ(弾性率)を評価することで肝臓の状態である炎症などの程度を知ることができます。

超音波エラストグラフィ検査の画像
超音波エラストグラフィ検査

これまでは肝臓の線維化を評価することが出来るのは肝生検といって、体表から直接肝臓に針を刺して組織を採取して病理的に評価することが主要な検査方法でした。肝生検は痛みのある侵襲的な検査方法で、出血や感染といったリスクがありました。超音波エラストグラフィでは、このような痛みやリスクはありません。

慢性的な肝疾患では、肝細胞の繰り返す傷害と治癒により過剰なコラーゲンが産生されることで肝臓の線維化が進行します。とくに「ウイルス性の肝炎」「アルコール性肝炎」「非アルコール性の脂肪肝」などが肝慢性疾患として知られています。超音波エラストグラフィは、上記のようなご病気の肝線維化を評価することで、患者様の病気の状態を評価して治療へと役立つ情報を得ることができます。

超音波エラストグラフィについてご相談の場合は、担当医にお声がけください。

腹部エコー検査の費用

保険診療での腹部エコー検査は、下記の費用となります。

保険診療 3割負担 1割負担
腹部エコー検査 1,590円 530円
超音波エラストグラフィ 600円 300円

*上記に加えて診察料などがかかります。
*超音波エラストグラフィは、肝硬変ないし肝硬変が疑われる患者様に対して肝臓の線維化の状態を評価した場合に費用としてかかります。

自費(人間ドック)での腹部エコー検査の費用に関しては、下記をご参考にしてください。自費(人間ドック)での超音波エラストグラフィのご相談も承っております。

▶ 料金ページはこちら

腹部エコー検査の予約方法

保険診療での腹部エコー検査の予約は、通常の診察で医師が必要と判断した場合に検査を受けることができます。下記のWEB予約から外来予約をお取りください。

電話での検査の予約も承っております。下記検査予約ダイヤルにてご相談ください。

① WEBからの検査予約
24時間WEBにて検査予約を受け付けております

WEB予約バナー

② LINEからの検査予約
LINEから簡単に検査の予約ができます

LINEかんたん予約

③ お電話での検査予約
予約電話センターより、
オペレーターと相談して予約が可能です

電話バナー

健診や人間ドックなどで、すでに病名などの診断がついている患者様におかれましては、
直接下記から腹部エコー検査を予約していただくことも可能です。

健診・人間ドックのご予約はこちら

*電話センターは時間帯によっては混雑して対応ができないこともございます。その場合には、改めてお電話いただくかWEBからの予約をご検討ください。

*直接来院いただき検査を予約していただくことも可能です。ご予約の方の診察が優先される場合がありますことをご了承ください。

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