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その腹痛アニサキス症かも?胃内視鏡検査(胃カメラ)ですぐに治療が可能

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皆様こんにちは、尚視会理事長・内視鏡専門医の原田です。当クリニック「東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリック 足立区院」は、北千住駅徒歩2分にある内視鏡専門クリニックです。

 

急激な腹痛や吐き気が出ると不安になりますよね?

もしかして癌かも?と疑う人もいるでしょう。

その腹痛や吐き気は、癌ではなくアニサキスによるものかもしれません。

アニサキスは魚の内臓に寄生しており、刺身や寿司を食べることで感染し、食後数時間~数日で激しい腹痛や嘔吐、血便などの症状が出ます。

今回は、アニサキス症について詳しく説明し、予防方法も解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

 

腹痛

 

アニサキス症とは

 

アニサキス症とは寄生虫であるアニサキスが人間の胃や小腸、大腸に寄生する感染症です。

日本人は古くから魚を生で食べる生活習慣があるため、アニサキス症にかかる人も多いです。

厚生労働省の統計ではアニサキス症の患者数について、以下の調査結果が出ています。

 

・令和元年:338人

・令和2年:396人

・令和3年:354人

 

参考URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html

 

毎年300人以上感染しており、特に10月~12月にアニサキス症にかかる人が増加するのが特徴です。

アニサキスが寄生した部位により病名が異なり、各感染症の発症率はこちらです。

 

・胃アニサキス症(93.2%)

・小腸アニサキス症(2.6%)

・大腸アニサキス症(1.1%)

 

参考文献:消化器内視鏡 第31巻増刊号 東京医学社発行

 

胃アニサキス症が最も発症率が高いことが分かります。

次はどのようにアニサキスに感染するのか説明していきます。

 

アニサキス症の感染経路

 

アニサキス症はサバやアジ、イカなどを生で食べ、アニサキスを体内に取り込むことが唯一の感染経路です。

アニサキスは海中で卵から生まれ、以下の生態系の中で寄生を繰り返しています。

 

オキアミ

  ↓

アジ、サバ、イワシ、イカなど

  ↓

アザラシ、イルカ、クジラなど

 

人が、アニサキスに感染したアジやサバ、イカを生で食べると胃や腸にアニサキスの幼虫が寄生しアニサキス症となります。

最終的に海洋哺乳類である、アザラシやイルカの胃で成虫になるのが通常のアニサキスの一生です。

アニサキスは人の体内では成虫にはなれません。

そのため、人に感染することはアニサキスにとっては想定外の事態なのです。

 

アニサキスに感染した場合の症状

 

アニサキス症に感染した場合の反応は劇症型(急性)と緩和型(慢性)に分かれ、感染場所により症状が異なります。

まず劇症型と緩和型について説明していきます。

 

劇症型と緩和型

 

劇症型はアニサキスが寄生した局所部位の即時型アレルギー反応で、緩和型はアレルギー反応が弱い、もしくは全くない場合です。

 

劇症型

 

劇症型は以前アニサキスに感染した人が、再度アニサキスに感染することによる即時型アレルギー反応を起こす病態です。

劇症型の症状は以下のとおりです。

 

・激しい腹痛

・吐き気

・嘔吐

・発熱

・蕁麻疹

 

アニサキスに感染したサバやアジ、イカ、イワシを食べ、寄生された人の50%が7時間以内、95%が24時間以内に上記の症状がでます。

 

緩和型

 

緩和型は初めてアニサキスに寄生され、異物反応のみで終了した場合です。

異物反応として、胃壁や腸壁が腫れあがり肉芽腫を形成しますが、痛みや吐き気といった自覚症状はでません。

後日胃カメラや大腸カメラで偶然発見され、取り除いた肉芽腫の中からアニサキスの断片が見つかるケースが多いです。

アニサキスは人の体内では成虫になれないため、無症状で感染に気づかなかったとしても問題ありません。

緩和型の感染時に体内でアニサキスが持つ抗原に対して過剰に反応する抗体が作られます。

その結果、2回目に感染した際、劇症型となり上記で紹介した症状に襲われます。

 

次に各アニサキス症の症状について説明します。

 

胃アニサキス症の場合

 

先に説明した通り、アニサキスが最も寄生する確率が高いのは胃です。

胃に寄生した場合、胃アニサキス症と呼び、以下の症状が見られます。

 

・上腹部痛(心窩部痛)

・吐き気

・嘔吐

 

胃アニサキス症は食後5~7時間で発症するため、晩御飯で刺身や寿司を食べ、夜間激しい腹痛で救急搬送されるケースが多いです。

 

小腸アニサキス症の場合

 

アニサキスが胃を通過し、小腸に寄生した場合を小腸アニサキス症と呼び、以下の症状が見られます。

 

・腹痛

・吐き気

・嘔吐

・お腹の張り

・下痢

・血便

 

小腸アニサキス症は診断が難しく、確定したとしても小腸用の内視鏡を保有している病院は稀で、取り除くことは難しいです。

 

大腸アニサキス症の場合

 

アニサキスが胃・小腸を通過し、大腸に寄生した場合を大腸アニサキスと呼び、以下の症状が見られます。

 

・腹痛

・下痢

・血便

 

重症化した場合は、腸閉塞を発症し、手術に至った例もあります。

 

アニサキス症の診断方法

 

腹痛や血便でクリニックや病院を訪れた際は以下の検査を行います。

 

・問診

・内視鏡

・血液検査

・超音波エコー、CT、レントゲン

 

順番に説明していきます。

 

問診

 

医師との問診を最初に行います。

問診では最近サバやアジ、イカを生で食べたかどうか聞かれます。

感染経路の項目でも説明しましたが、アニサキスに感染する経路は魚介類の生食が原因です。

前日に魚介類を食べていれば、アニサキス症の可能性が強く疑われるため、内視鏡検査を行います。

魚介類の生食がない場合、別の疾患が疑われるので、血液検査やCTの撮影を行います。

小腸アニサキス症や大腸アニサキス症は、生食後数日経過し発症に至るケースもあり、問診だけでアニサキス症と断定できません。

その場合は血液検査と超音波エコーやCT撮影が必要となることもあります。

 

内視鏡検査

 

アニサキスが寄生していると予想される、胃や大腸を観察するために内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を行います。

検査をするための条件は以下の2つです。

 

・検査前に食事を取っておらず、検査可能と判断された場合

・大腸カメラの場合には、下剤(腸内洗浄液)を飲む必要がある

 

食事を取っている場合や、下剤を飲み大腸内をきれいにする場合には、時間がかかることは知っておきましょう。

アニサキスは肉眼でも確認できる大きさなので、胃や腸内にアニサキスが寄生していれば内視鏡検査でわかることがあります。

小腸内にアニサキスの寄生が疑われる場合はカプセル内視鏡やバルーン内視鏡で観察できます。

しかし、カプセル内視鏡やバルーン内視鏡を保有しているクリニックや病院は少なく、検査で取り除くのは難しい場合があります。

痛み止めや点滴での対症療法を行い、様子観察となるケースが多いです。

 

血液検査

 

血液検査では、即時型アレルギー反応と関わりの深い「免疫グロブリンE(IgE)」と、「アニサキス抗体検査」を行います。

各検査結果が陽性であればアニサキス症と断定でき、内視鏡検査を行います。

特に小腸アニサキス症や大腸アニサキス症と断定する際に有効です。

 

超音波エコー、CT、レントゲン検査

 

小腸アニサキス症や大腸アニサキス症は魚介類を生食してから数日後に発症する場合があります。

その場合、症状や問診だけではアニサキス症と断定できないため、超音波エコーやCT、レントゲン検査を行うことがあります。

 

アニサキス症の治療法

 

内視鏡で胃や大腸内にアニサキスを見つけた際は、生検鉗子と呼ばれる処置具でアニサキスをつまみ、粘膜から引きはがすことで取り除けます。

取り除く際は胃壁や腸壁をよく観察し、アニサキスの頭部の断片が残っていないことを確認します。アニサキスの頭部が残っている場合には、粘膜ごと生検鉗子で取り除きます。

アニサキス本体にアレルギー症状の元となるアレルゲン物質を含んでいるため、わずかでも残っていたら症状が改善されません。

1隻(寄生虫は匹と呼ばない)だけとは限らないので胃や大腸内を細部まで探します。

アニサキス症は寄生したアニサキスを取り除くと、腹痛や吐き気等の症状はすぐに消失します。

胃壁や腸壁にアニサキスが侵入し、形成された腫れや炎症も、数日で改善するので心配ありません。

 

アニサキス症の予防法

 

アニサキス症を予防する方法は3つあります。

 

・加熱処理

・冷凍保存

・川魚を食べる

 

アニサキスは、60℃以上で1分間加熱し、-20℃で24時間冷凍保存すると死滅します。

川魚にアニサキスが寄生している可能性はありません。

川魚にアニサキスがいない理由は、アニサキスは海の中にしかおらず、川をさかのぼることもありませんので、川魚から感染する可能性はないからです。

川魚にアニサキスはいませんが、他の寄生虫がいます。

アニサキスがいないからと言って、生で食べないようにしましょう。

川で獲れる魚でも、サケやマスは1年以上海で生活しているので、アニサキスが寄生しています。

サケやマスを食べる際は加熱処理や冷凍保存が必要です。

食中毒を防ぐ調理法として酢が効果的ですが、アニサキスは酸に強いため効果がありません。

そのため、シメサバなどの生魚を酢で調理した料理にも注意が必要です。

生魚を細かく薄切りにしたとしても、アニサキスからの感染を防ぐことはできません。

なぜなら、アニサキスは渦状に丸くなると1cm四方にも満たない大きさになり、色も白~半透明で見落とす可能性があるからです。

調理法や調味料では、アニサキスからの感染を防ぐことはできないと覚えておきましょう。

 

内視鏡検査はこわくない

 

アニサキス症は胃カメラや大腸カメラでアニサキスを取り除けばすぐに症状が改善されます。

しかし、胃カメラや大腸カメラを受けるのがこわいと思っている人が多いのも事実です。

こわいと思われる原因は、胃カメラが喉を通るときの苦しさや、大腸検査中の痛みが強烈だからです。

一度でも嫌な経験をすると「もう受けたくない」と思うのもしかたありません。

そんな内視鏡検査を苦しまずに受ける方法があります。

鎮静剤という眠り薬を使って内視鏡検査を行えば、眠ったまま検査を受けられます。

鎮静剤を使うことで、気づいたら検査が終わっており、全く苦しまずに検査可能です。

そのため、内視鏡検査がこわくて勇気が出ない人には、鎮静剤を用いた検査をおすすめします。

鎮静剤を使用する場合の注意点が2つあります。

 

・車やバイクで病院に来ていた場合使用できない

・薬剤にアレルギーのある方や基礎疾患によっては使用できない

 

順番に説明していきます。

 

車やバイクで病院に来ていた場合使用できない

 

鎮静剤が使用できる条件は、車やバイクを運転して病院に来ていないことです。

理由として、鎮静剤を使用した後は急な眠気や意識消失する可能性があり、車やバイクの運転は危険だからです。

鎮静剤を使用して内視鏡検査を受けたい人は、タクシーや公共交通機関、もしくは家族に運転してもらい病院へ行きましょう。

 

薬剤にアレルギーのある方や基礎疾患によっては使用できない

 

鎮静剤自体にアレルギーのある方は、鎮静剤を使用することができません。

重度の呼吸器疾患や循環器疾患などのある方の場合も、鎮静剤を使用することができないことがあります。

鎮静剤の使用に関して不明の人は、検査の前に必ず医師・看護師に相談しましょう。

 

アニサキス症かもと思ったらすぐに受診しよう

 

アニサキスの多くは胃に寄生し、激しい腹痛や嘔吐を引き起こします。

直近で刺身や寿司を食べていた場合、アニサキス症の可能性が高いです。

内視鏡検査を行えば簡単に取り除くことができ、症状もすぐに改善します。

検査時間も短く、1隻のアニサキスを取り除くだけなら15分で終わり、入院の必要もありません。

当クリニックでは、内視鏡検査を眠って受けられる薬の使用や、リラックスするためのBGMを流し、少しでも楽に検査が受けられるよう工夫をしています。

前回苦しかったからと言って次も苦しいとは限りません。

少しでもアニサキス症が疑われるなら、当クリニックを受診していただき痛みから解放されましょう。

 

記事監修

医療法人社団尚視会 理事長 原田英明

・日本消化器内視鏡学会 専門医 指導医

・日本消化器病学会 専門医

・米国消化器内視鏡学会 国際会員

・欧州消化器内視鏡学会 国際会員

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