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なぜ大腸ポリペクトミー(大腸ポリープ切除)はコールドがいいの?

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こんにちは、尚視会理事長・消化器内科医の原田です。

 

今回は、「なぜ大腸ポリペクトミー(大腸ポリープ切除)はコールドがいいの?」について解説したいと思います。

 

 

大腸ポリペクトミー(大腸ポリープ切除)にはホットとコールドという2つの方法があります。医療関係者以外の方はホット・コールドとはなんぞや?ということであると思いますので、コールドおよびホットについて簡単に解説したいと思います(以上関係者でも消化器が専門でない方は知らない可能性もあります)。

 

・ホットは、HSP(ホット・スネアー・ポリペクトミー)のことをいいます。

・コールドとは、CSP(コールド・スネアー・ポリペクトミー)のことをいいます。

 

まずはホットについてですが、ホットとは高周波装置というものを使って電流を流すことで大腸ポリープを焼き切る方法です。スネアーという金属製の輪っかを用いてキノコ状のポリープに引っかけて電流を流しながらポリープを焼き切ります。電流を流しているため切除した大腸の粘膜には熱による損傷(熱損傷)が起こります。

 

一方、コールドの場合は、スネアーをポリープに引っかけて電流を流さずに輪っかを絞って物理的な力で“エイヤッ”というような感じで切り取ります(いわゆる“生切り”とも言います)。切除した大腸粘膜には電流を流していないため熱損傷は起こりません。一昔前はどんな大きさのポリープも高周波を使って電流を通電して切除していました。私自身も内視鏡検査をやり始めた若かりし頃(10年以上も前になります)は、基本的に全てホットでポリープを切除していましたが、当時は未熟な技術のため時にはうまく内視鏡のコントロールができずに電流を通電してしまう前にスネアーで“生切り”をしてしまうことがありました。その時代では技術的には失敗ではありましたが、時代の先端を行っていたとも考えられるかもしれません(少し苦しい言い訳となってしまいますが)。

 

ホット、コールドどちらにもメリット・デメリットがあります。ホットの場合は、先ほど述べた熱損傷がデメリットですが、電流を使うため比較的大きいポリープを切除することができます。また、ポリープに存在する血管を焼きながら切除するため、止血の役割もあります。

 

コールドの場合は熱損傷がないというメリットがありますが、電流を流さないためあまり大きなポリープは切除することに向いてません。そのためコールドに関しては、10㎜以下のポリープに関しては切除の適応と言われています。熱による血管の焼灼が無いため切除した後に出血をするというデメリットはありますが、基本的にはすぐに血は止まります。もちろん出血が続く場合もありますが、スコープの先端などで出血部位を抑えるなどの圧迫止血を行うとしばらくして止血されます。

 

以上が切除時のメリット・デメリットですが、コールドの一番のメリットを最後に解説したいと思います。私が以前まとめたデータでは、ホットとコールドではコールドの方が術後の出血率が低かったと示されています。

 

ホットでは電流により大腸の壁に熱がこもったり、大腸壁の少し深い血管を傷つけるため、術後に穿孔といって大腸の壁に穴が開いたり、術後の出血のリスクがコールドより高いと言われています。

 

私たちのクリニックでは、10mm以下のポリープに関しては基本的にコールドで切除をしており、10mm以上のものや茎が太いポリープに関してはホットで取ることもあります。その場その場で患者さんに最適な治療法を行うようにしております。

 

以上が「なぜ大腸ポリペクトミー(大腸ポリープ切除)はコールドがいいの?」を解説いたしました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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