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痛みのない大腸カメラを受けるために知っておきたい6つのこと

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大腸カメラ(大腸内視鏡検査)というと皆さんどんなイメージでしょうか?「大変な検査」「つらい検査」「時間がかかりそう」などの負のイメージがあると思います。大腸カメラは、以前と異なり「より快適」に「よりスピーディー」に終わることが可能となっています。検査自体は静脈麻酔を使用し眠った状態で痛み無く検査が可能で、検査時間も15分程度で終わります。身体への負担もほとんどありません。

 

大腸がんの診断は大腸カメラでしかできません。大腸がんによるがん死亡数は、男性では3位、女性では1位となっており、早急に対策が迫られているがん疾患です。

 

はじめて受けられる方にとっては、大腸カメラは未知の検査だと思いますので大腸カメラについて詳細に解説したいと思います。

 

[目次]

 

 

1章、大腸カメラとは

 

大腸カメラを受ける前に検査がどのようなものか知っておくことは非常に大事なことです。検査自体はどのようなものなのか?どうして大腸カメラを受ける必要があるのか?検査を受けるにあたり注意すべきことは?検査後は痛くないのかどうか?大腸ポリープの切除はできるのか?検査はどこで受けるのが良いのか?など気になることは多々あるかと思います。この章では皆さんが大腸カメラを受けるにあたり確認すべきことを解説したいと思います。

 

1-1、大腸カメラとはどんな検査なのか

 

大腸カメラは、おしりからスコープを挿入して大腸全体を観察して大腸ポリープ、大腸がん、そして他の大腸疾患などが無いかを調べる検査です。大腸カメラがどのような検査なのか説明していきたいと思います。

 

大腸カメラは、大腸専用の内視鏡スコープ(直径1cmほど、長さ1.3~1.7mほど)を使用して検査をします。この内視鏡スコープの先端にはCCDカメラが付いており、先端の画像がモニターに映し出されることで大腸内の状態を把握することが出来ます。

 

内視鏡検査室

 

検査を開始する前に大腸の前処置として下剤を飲んでもらいます。大腸内が空っぽの状態になってから内視鏡スコープを肛門から挿入します(大腸前処置に関しては後ほど説明します)。肛門から挿入されたスコープは、

 

直腸→S状結腸→下行結腸→横行結腸→上行結腸→盲腸

 

の順に通過して最後に大腸の一番奥である盲腸にたどり着きます。

 

 

ここからが検査の本番となります。盲腸に到達した内視鏡スコープを引き抜きながら、大腸内の壁(粘膜)を隈なく観察して大腸ポリープや大腸がんなどが無いかどうかを確認していくのが私たち内視鏡医の仕事です。大腸ポリープのほとんどは、キノコのような突起状のものであるため小さなものでも発見することは難しくありません。一方、初期の大腸がんの病変は、平べったく発見が困難なものもあるためしっかりと観察する必要があります。

 

 

内視鏡スコープを引き抜きながら途中で大腸ポリープが見つかった場合には、その場でポリープを切除することができます。大きなポリープに関しては入院での切除が必要となるためその場で切除ができないこともあります。

 

大腸がんが見つかった場合には、内視鏡での治療が可能なのか外科的な治療が可能なのかなどをその場で診断します。必要に応じて組織を採取することもあります。内視鏡スコープを徐々に引き抜きながら最後に直腸や肛門部を観察して検査が終了となります。

 

1-2、大腸カメラはどのくらい時間がかかるの?

 

大腸カメラにかかる時間は準備なども全て含めると、トータルでおおよそ3~4時間程度かかります。大腸カメラは、検査の準備にかかる時間、検査自体の時間、検査後にかかる時間の3つに分けることが出来ます。

 

検査の準備にかかる時間は、主に大腸の前処置である下剤の内服にかかる時間です。個人差はありますがおおよそ2~3時間程度かかります。

 

検査自体の時間は、平均的には10分~15分程度かかります。盲腸までの内視鏡スコープの挿入におよそ5分程度、大腸内の観察に7分程度が一般的です。ただし内視鏡スコープの挿入が難しい方が中にはいます。どのような方かというと、

 

 

・お腹の手術をしたことがある方

・肥満などでお腹が大きい方

・大腸が長く伸びやすい方(女性に多い)

 

 

などの場合には挿入に時間がかかるため個人差があります。反対に若くて大腸が伸びにくい方(若い男性)の場合には、1~2分程度で挿入ができてしまう方もいます。

 

検査後には、回復室で休んでもらいます。おおよそ30分程度の休憩が必要となります。

 

以上でトータル3~4時間程度となります。初めて大腸カメラを受ける方であれば、おおよそ4時間程度はかかると考えていただいた方が余裕を持って検査を受けられるかと思います。

 

大腸ポリープをその場で切除する場合には時間が多少かかり、検査時間が長くなります。小さなポリープを1つ取る場合には1、2分程度で終わりますが、中くらいのポリープや複数のポリープを取る場合にはさらに時間がかかります。また、ポリープを切除する方法によっても検査時間に差がでます。高周波装置といって電気でポリープを焼き切る場合には、高周波装置の準備などに数分かかることがあります。一方、高周波装置を使用しないコールドポリペクトミーという方法で切り取る場合には時間がかかりません。

 

ポリープの切除方法については、下記で詳しく解説していますのでご参考にして下さい。

「なぜ大腸ポリペクトミー(大腸ポリープ切除)はコールドがいいの?」

 

大腸カメラの準備(大腸前処置)にかかる時間は、主に下剤を飲んでもらい大腸を空っぽにしてもらうのに時間がかかります。当クリニックの大腸前処置の平均時間は、2時間22分です。下剤の効果には個人差がありますが、早い方の場合には1時間かからずに終わっています。反対に長い方の場合には、5時間以上かかることもあります。通常であれば、おおよそ2~3時間程度かかると考えてください。

 

どのような方が下剤の効果が高いかというと、若くて男性の方が前処置にかかる時間は早く終わります。一方、高齢で女性・肥満でお腹が大きい方・お腹の手術をしている方ですと時間がかかります。

 

 

・下剤の効果が早く時間がかからない方:若い方、男性

 

・下剤の効果が遅く時間がかかる方:高齢、女性、肥満の方、お腹の手術をしている方

 

 

大腸カメラ後にかかる時間ですが、当クリニックでは基本的に静脈麻酔を使用して検査を行うため検査後は回復室で休んでもらってから着替えをして検査後説明、最後に会計という流れです。回復室では30分間休んでもらいます。その後、検査後説明・会計ですので、全て含めて1時間ほどと考えてください。

 

2章、大腸カメラの重要性とは

 

2-1、大腸がんの早期発見には大腸カメラが必要

 

大腸カメラは、カメラを使用して大腸内を実際に覗き大腸ポリープや大腸がんの発見が直接的にできる唯一の方法です。大腸がんは、初期の段階では症状が全く出ません。初期の段階で大腸がんを発見するためには大腸カメラによる検査が必要となります。また、大腸カメラを行って大腸ポリープを切除するということが大腸がんの予防になると科学的に示唆されています。

 

現在日本では、大腸がん(結腸がん、直腸がんともに)による罹患数・死亡数は横ばいないし増加傾向となっており、早急な対策が必要ながん疾患となっています。また、死亡数の増加だけではなく大腸がんの若年化という問題もあります。食事の欧米化、身体活動の低下(運動不足)などが原因となり、若い方でも大腸がんになることが多くなってきています。40代や50代という現役時代に大腸がんに罹ることで仕事や日常生活に問題が生じると、収入や家族関係などにも直結してしまうこととなります。

 

大腸がん死亡数は男性27,334人、女性23,347人と男性の方が多いのです。欧米では大腸がんによる罹患数・死亡数は減少傾向にありますが、日本においてはやや高止まりとはなっています。大腸がんによる死亡数は増加傾向となっています。国立がん研究センターによるデータでは、大腸がん死亡数は年間5万人以上となっておりがん死においては、肺がんに次ぐ第2位となっています。女性に限って言うと第一位です。

 

2-2、40代で一度は大腸カメラをおススメ!

 

早急に対策が必要な疾患となっているにもかかわらず1次検診では、便潜血検査のみとなっているのが現状です。今後必要となるのは、便潜血よりも大腸内視鏡検査を節目節目で直接受けてもらうことだと考えています。40代で一度はしていただきたい「腸活」こと大腸内視鏡検査です。

 

最近では大腸がんへの関心も以前よりは高まっており、30代40代といった方の大腸カメラを受ける機会が増えてきています。以前は、比較的高齢の方が受けられるイメージであった検査ではありますが、大腸がんの若年化を背景に比較的若い現役世代の方が受けられるべき検査の一つとなってきています。

 

肥満・糖尿病・運動不足などの大腸がんのリスクが高いご病気をお持ちの方では、大腸ポリープの発見率が高い傾向にあります。大腸ポリープ切除は、大腸がんの予防になりますのでリスクの高い方や症状のある方は積極的に検査を受けていただくことが大事です。

 

2-3、便潜血陽性であれば大腸カメラが必須

 

健診などで便潜血が陽性と診断された場合は、必ず大腸カメラを受けましょう。症状が無いからといって検査を受ける必要が無いと考える方いらっしゃると思います。しかしながら、初期の大腸がんは症状が無いため便潜血で便に血が混じっていると診断されたならば検査を受ける必要があります。とくに日本における便潜血陽性の2次精査受検率は欧米諸国と比べ低く、早期発見の妨げとなっています。

 

便潜血が陰性の場合には大腸カメラは必要ないのでしょうか?確率的には高いものではありませんが、便潜血が陰性だからと言って決して大腸がんや大腸ポリープが無いとは言い切ることはできません。

 

便潜血が陰性の方で、大腸がんのリスクファクターがある方は大腸カメラを受けることをお勧めします。例としては、糖尿病肥満運動不足家族に大腸がんと診断された方がいるなどの場合には、適切な年齢で大腸カメラを受けることが大事です。

 

どのような年齢で大腸カメラを受けるべきかということですが、40代で一度大腸内視鏡検査を受けていただくことが大事です。大腸がんの発生は、若年化しており30代や40代でも発見されるようになってきています。米国においては、大腸がん死亡数は減少しているにもかかわらず若年層(20~49歳)における大腸がん発生数は増加しています。日本においても若年化の傾向がみられているため40代で一度は大腸カメラを受けることをお勧めします。

 

3章、大腸カメラは大変な検査ではない

 

3-1、大腸カメラを楽に受けるためには

 

大腸カメラは、一昔前まではきつくツライ検査と言われていました。人によっては「お産よりツライ」と言われる方もいた検査でした。しかしながら、検査方法や技術の革新によって現在では楽に痛み無く検査を終えることが可能となっています。

 

大腸カメラを適切にそして楽に受けるためには正しい医療知識(リテラシー)が必要となります。先進的な医療施設ではほとんど同じような検査体制を取っていますが、医療施設によっては内視鏡スコープの挿入法の違い、麻酔の使用の有無、内視鏡専門医が施行しているかどうかなど異なることがあります。

 

内視鏡スコープの挿入法は、基本的には軸保持短縮法によって挿入するのが一番身体に負担が無いと思われます(軸保持短縮法についてはこちらをご参考にしてください)。

大腸内視鏡検査は痛みがある?どんな痛み?痛みを防ぐ方法まで専門医が解説

 

3-2、楽に検査を受けるための静脈麻酔

 

内視鏡スコープ挿入時は程度の差はありますがお腹の張や痛みがでます。そのため静脈麻酔剤を投与することで眠った状態で楽に検査を受けることが出来ます。

 

ただし医師によっては、麻酔剤は危険と主張される人もいます。理由としては、「麻酔剤を使用して大腸カメラを行うと、患者さんが麻酔剤により痛みを訴えることが無いため、内視鏡スコープが大腸の壁を無理に押してしまうことがある。そのような場合に大腸の壁を傷つける可能性や大腸の壁を破ってしまう危険がある」ということです。

 

一昔の場合には、このようなことがあり得ましたが、現在では内視鏡スコープの質が良くなり挿入法も確立しているため、ある一定の技量のある内視鏡医であれば、まずこのようなことは起こりません。安心して静脈麻酔を使用して楽に検査を受けていただくことをおススメします。

 

静脈麻酔剤を使用して検査を受ければ、基本的には無痛で検査を終えることが出来ます。麻酔剤の効果が切れて目を覚ませば検査がすでに終わっていたという状態です。

 

※麻酔剤の種類によっては、麻酔剤にアレルギーがある場合や呼吸器疾患などがある場合には麻酔剤が使用できないことがあります。また、麻酔剤を使用した後には、一日中車や自転車等の乗り物の運転ができません。

 

4章、大腸カメラの費用は?

 

4-1、大腸カメラの費用

 

大腸カメラの費用は、自己負担率によって異なりますが下記のようになります。

 

合計:3,000~13,000円程度(自己負担率で費用が異なります)

 

これには、当日の診察・採血検査・薬剤・大腸検査などが含まれたものです。

 

大まかな内訳

診察料:初診料288点(2,880円)、再診料73点(730円)

採血料:おおよそ422点~858点(4,220円~8,580円)

(採血を1か月以内に他の施設や健診などで行っている場合には再度採血を採る必要はありません。結果をお持ちになって受診してください。ただし必要な採血項目の結果が無い場合には採血が必要なこともあります。)

下剤料(どれか一つ選択):モビプレップ1,958円、ニフレック920円、マグコロールP 770円、ビジクリア 2,720円、ピコプレップ 2,020円(ピコプレップ以外は、前日にラキソベロンの内服が必要のため費用的にはさほど変わりません)

検査料:大腸内視鏡検査1,550点(15,500円)

その他に狭帯域光強調加算200点(2000円)+粘膜点墨法加算60点(600円)がかかることがあり

組織生検料:生検をした場合のみ1,320点(13,200円)

 

以上の内訳を合計して、そのうちの自己負担率の割合(1~3割)で費用が変わります。

*費用に関しては保険診療のため全国どの医療施設でも基本的はほぼ同様の料金となっています。初診か再診かの違いや組織生検を行った場合などは費用が変わってきます。200床以上の病院では、紹介状が無い場合には5,000円の特別料金が請求されます(クリニックではとくに請求されません)。

 

大腸カメラ費用の詳細については下記をご参考にしてください。

「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の費用はいくらかかるの?」

 

4-2、大腸ポリペクトミーの費用

 

大腸ポリープを切除した場合には、費用が変わってきます。大腸ポリープを切除した場合の費用は下記のようになります。

 

合計:7,000~22,000円程度(自己負担率で費用が異なります)

 

診察料:初診料288点(2,880円)、再診料73点(730円)

採血料:おおよそ422点~858点(4,220円~8,580円)

 

(採血を1か月以内に他の施設や健診などで行っている場合には再度採血を採る必要はありません。結果をお持ちになって受診してください。ただし必要な採血項目の結果が無い場合には採血が必要なこともあります。)

 

下剤料(どれか一つ選択):モビプレップ1,958円、ニフレック920円、マグコロールP 770円、ビジクリア 2,720円、ピコプレップ 2,020円(ピコプレップ以外は、前日にラキソベロンの内服が必要のため費用的にはさほど変わりません)

 

検査料:大腸内視鏡検査5,000点(50,000円)

 

その他に狭帯域光強調加算200点(2000円)+粘膜点墨法加算60点(600円)がかかることがあり

 

組織生検料:生検をした場合のみ1,320点(13,200円)

 

以上の内訳を合計して、そのうちの自己負担率の割合(1~3割)で費用が変わります。

 

*費用に関しては保険診療のため全国どの医療施設でも基本的はほぼ同様の料金となっています。初診か再診かの違いや組織生検を行った場合などは費用が変わってきます。200床以上の病院では、紹介状が無い場合には5,000円の特別料金が請求されます(クリニックではとくに請求されません)。

 

大腸カメラ費用の詳細については下記をご参考にしてください。

「内視鏡的大腸ポリープ切除術(大腸ポリペクトミー)の費用は?」

 

5章、大腸カメラの検査の受け方

 

大腸カメラは病院、クリニックのどちらでも検査を受けることが可能です。病院、クリニックどちらかで受けるかは人それぞれで、どちらにもそれぞれのメリット・デメリットがあります。それぞれの利点を挙げると、

 

5-1、病院で大腸カメラを受ける

 

メリット

 

・機材が豊富にあるため様々な処置に対応することが可能

・施設によってはスタッフが十分配置されているため緊急の処置にも対応が可能

 

デメリット

 

・様々な医師が在籍しているため経験豊富な医師が検査を担当するかどうかは不明

・大きな総合病院の場合は、紹介状が必要

 

5-2、内視鏡専門クリニックで大腸カメラを受ける

 

メリット

 

・内視鏡専門クリニックであれば経験豊富な医師が担当

・紹介状無しに受診・検査が可能

 

デメリット

 

・検査が中心のため特殊な治療は総合病院に紹介

 

以上のように病院・クリニックと違いがあります。今回は皆さんの身近に存在する内視鏡クリニックでの検査の受け方を説明したいと思います。

 

6章、内視鏡専門クリニックでの大腸カメラ

 

6-1、診察・検査予約

 

検査を受けるにあたり、まずは診察を受ける必要があります。診察・検査の予約は、ほとんどのクリニックは、WEBから予約ができます。一部のクリニックでは電話で予約センターを設置しているところもあります。それぞれのクリニックのホームページをご参考としてください。

 

大腸カメラの場合事前の診察を受けてから検査となります。事前の診察はクリニックによって異なりますが、検査の3日前までに診察を受けなければならないクリニックもあれば、当日に診察を受けてから検査を受けれるところもあります。

 

当クリニックでは、70歳以下で基礎疾患が無く、抗血栓薬(バイアスピリン・クロピドグレル・ワーファリンなど)などの特殊なお薬を内服していない方に関しては当日の診察を受けてからその日に検査を受けてもらうことができます。

 

 

6-2、実際の診察

 

前もって診察に来る場合は、WEBで診察予約をしてもらいクリニックに来院してもらうのが一般的です。来院されたら内視鏡検査専門の問診票を記入してもらいます。事前にWEB上でも問診を取っているクリニックもありますので事前に済ませておくと当日の診療がスムーズです。当院では、メルプという問診システムをWEB上で導入していますので、ぜひご確認してください。

 

問診後、医師の診察を受けて必要であれば採血検査をします。1か月以内に他院や健康診断などで採血検査を受けていた場合は結果を持っていくと重複する採血検査は必要ないためぜひお持ちください。医師から検査の説明を受けて診察は終了となります。

 

6-3、大腸カメラ前日の過ごし方・お食事

 

医師の診察を受けたら看護師や医療スタッフからより検査日程や検査当日まで過ごし方、お食事についてなどの説明を受けます。特に気を付けなければならないのは前日までのお食事です。

 

大腸カメラの前日および当日は検査に臨むにあたり準備が必要です。特に前日はなるべくやわらかく消化の良い食べ物を摂ることで、翌日の下剤の効きが良くなりスムーズに検査に臨むことができます。当日は朝から下剤を飲んで大腸内を空っぽの状態にする必要があります。当日および前日の食事や下剤の内服などに関して説明したいと思います。

 

・前日および当日の食事や飲み物はどうすればいいの?

 

大腸カメラの前日は、なるべく下記のようなの食事内容は控えるようにしてください。

 

 

・脂っこい食べ物(てんぷら、とんかつ、から揚げ、餃子など)

・繊維質の多い食べ物(海藻類、イモ類、豆類、野菜、果物など)

・加工食品(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)

・ラーメンやパスタなどの小麦類

 

 

上記のような食事は当日の下剤の効果に影響する可能性があるためなるべく控えた方が良いのですが、「じゃ、何を食べたらいいの?」ということになるかと思います。その場合には市販されている検査食パックを食べるのをおススメします。

 

検査食パックにはいくつかの種類がありますが、当クリニックでは「エニマクリンeコロン」という江崎グリコの検査食パックを取り扱っています。この検査食パック1つで、朝・昼・夕と3食入っており1,200円というコスパの高いものとなっています。しかもおいしいので、前日のお食事に迷うようであればぜひお試しください。当クリニックHPからリンクでオンラインショップ・BASEより購入が可能です。

 

 

検査食パックを利用しない場合には、うどん・おかゆ・おにぎり・スープなどを摂ることをおススメします。

 

夜のお食事は9時までに終わらせて、それ以降は水分のみにしてください。水分は、水や色の濃くないお茶にしてください。検査当日は、水分のみ摂ることが可能です。前日の夜からと同様に水および色の濃くないお茶のみ飲むことができます。

 

前日までのお食事に関しては、以上のようになります。あとは大腸の前処置を当日行い、検査を受けるだけです。

 

7章、大腸カメラの当日の検査の流れ

 

7-1、当日の検査の検査の流れ<院内で大腸の前処置を行う場合>

 

来院→受付→医師の診察(事前に終わっていれば必要なし)→看護師・医療スタッフからの当日の問診→大腸の前処置→検査(大腸カメラ)→休憩(回復室にて)→医師の結果説明→会計→帰宅

 

というような流れになります。当日一番重要で時間がかかるのが、大腸の前処置です。大腸の前処置である下剤内服は、おおよそ2~3時間程度かかります。そのため検査を行う2~3時間程度前から下剤を内服してもらう必要があります。下剤を内服する場所は2つから選ぶことができます。

 

 

・自宅での下剤内服

・院内での下剤内服

 

 

院内で下剤を飲む場合は、専門の看護師やスタッフが居るためイザという時に対応できるため安心です。下剤の効果判定もスタッフがしてくれるため心配する必要がありません。ただし、慣れない環境下で長時間頻回にトイレに行かなければならないため、人によっては非常にストレスに感じる方もいらっしゃるかと思います。ご自身が利用しようと考えている施設に下記のような設備が整っているか事前に調べる必要があります(たいていホームページに記載されています)。

 

 

・トイレの数が十分にあるかどうか

・下剤を飲むスペースが十分に用意されているかどうか(男女別・個室・半個室になっていると尚良い)

・下剤を飲む間の時間を有意義に過ごす用意をしているか(WiFi完備・ワークスペースなど)

・快適に座れる椅子が用意されているかどうか

 

 

千住・胃と腸のクリニック

 

などを知っておく必要があります。とくに下剤を飲むスペースは大事です。施設によっては、男女一緒に同じ場所・テーブルで前処置を行うところもあります。女性にとっては大腸の前処置は、ややセンシティブなものだと思われますので、下剤を飲むスペースが男女別などになっているかどうかぜひご確認ください。

 

下剤

 

*下剤に関しては基本的にご自身のペースでゆっくりと飲んでいただき、2~3時間程度かけて大腸内を空っぽにしてもらいます。自分で下剤を飲まないで、胃カメラを使い十二指腸内および胃内に下剤を直接注入する方法があります(胃カメラ下剤注入法)。

 

下剤である腸管洗浄液を一気に腸内に注入するのは腸管破裂の可能性があるためオススメできません。

 

当クリニックでは、薬剤添付書やガイドラインで推奨されておらず安全性が確立されていない本方法は行っておりません。

 

大腸の前処置である下剤内服が終了し、便にカスが混ざらない状態になったらとうとう大腸カメラになります。実際の大腸カメラの流れを解説します。

 

7-2、当日の検査の検査の流れ<自宅で大腸の前処置を行う場合>

 

自宅で下剤を飲む場合は、自分のペースで慣れた環境で前処置をしていただくことが可能ですが、専門の看護師やスタッフが居ないため体調が悪くなった場合には対応することができません。

 

下剤を飲んだ後に便がしっかりと出切ったかどうかをご自身で判定する必要があります。自宅から検査を受ける施設が近いかどうかもよく確認する必要があります。遠方で電車を利用する場合などは、移動時に下剤の効果が残ってしまうことも想定する必要があります。

 

7-3、実際の大腸カメラ検査の流れ

 

更衣→血管ルート確保→検査室内へ移動→検査台に横になる→タイムアウト→静脈麻酔開始→大腸カメラ→回復室へ移動→看護師の覚醒チェック

 

以上が大まかな大腸カメラの流れです。一つ一つ解説していきたいと思います。

 

更衣:私服から検査着に着替えてもらいます。施設によって異なりますが、汚れても大丈夫なディスポーザブルの紙素材の検査着を用意しています。

 

血管ルート確保:静脈麻酔剤を注入するために前腕の血管にサーフローというプラスチック製の細い筒を入れます。サーフローを血管に入れてそこから麻酔剤を適宜注入していきます。

 

検査室内へ移動:検査室内へは看護師ないし医療スタッフが案内します。その際、下剤の効きがまだ残っておりトイレの希望がある場合は遠慮せずにスタッフに伝えてください。

 

検査台に横になる:検査台では左側臥位と言って左腕を下にして横になってもらいます。

 

タイムアウト:麻酔剤の注入・検査を始める前にタイムアウトという患者さんの確認作業を医師・スタッフとともに行います。患者さんの名前・年齢・性別・基礎疾患・内服状況・検査内容を声出して確認します。

 

麻酔剤注入:タイムアウトが終了したら麻酔剤を注入していきます。血圧や脈拍などのバイタルを生体モニターで監視しながら麻酔剤をゆっくりと注入します。

 

大腸カメラ:麻酔剤の効果が出たことを確認してから検査を開始します。検査中は麻酔剤の効果が一定となるように適宜麻酔剤を追加しながら検査を進めます。

 

回復室へ移動:検査が終了したらバイタルを確認したのち、回復室へ移動します。麻酔剤の影響でまだしっかりと覚醒してない状態のため検査台に乗ったまま回復室へ移動します。麻酔剤の種類にもよりますが、回復室ではおおよそ30分程度休んでもらいます。

 

看護師の覚醒チェック:看護師により麻酔の効果が無くなったかどうかチェックシートを使用して確認します。問題なければお着替えをしてもらいます。

 

リカバリールーム

 

お着替えも終了したら医師による結果説明です。大腸カメラの結果について画像を見ながら説明を受けてもらいます。組織検査やポリープを取った場合には、病理結果を再度聞きに来る必要があるため再診日を決めてもらいます。

 

大きなポリープや大腸がんなどが発見された場合には、入院設備のある施設で治療が必要となります。その場合には、担当医師より紹介先のご案内があります。

 

7-4、遠方から大腸カメラを受けに行くことは可能なのか?

 

遠方からお越しの方でも大腸カメラは可能です。現在では、オンライン診療も可能となっており、事前の診察はオンラインもしくは当日行うことで大腸カメラを受けていただくことができます。

 

遠方からお越しの方は、朝電車や車で北千住駅まで移動していただき医師ないし看護師の診察・問診を受けてから院内で大腸の前処置をしてもらいます。当日の検査の混み具合によっては、検査時間の開始が遅れてしまうことがありますので遠方の方は早い時間帯に来院されることをおススメします。早い時間帯に来院いただき、早い時間帯で検査を終えて余裕をもってご自宅に帰られるようにしていただきたいと思います。

 

まとめ

今回は、大腸カメラについて一通り解説しました。大腸カメラを受けることは、大腸がんの予防になると言われています。大腸カメラについて正しく理解をすることで皆様が検査に興味を持っていただけたらと思います。大腸カメラという検査はほとんどの人にとって、人生で1回受けるかどうかのような検査かと思います。人生で1回あるという貴重な体験をしてもらうということに携わっている私たち内視鏡医としては、検査を受けていただいた患者さんたちに貴重で素晴らしい体験だったと言ってもらえるようにしたいと考えています。

 

 

 

American Cancer Society, Facts & Figures2017-2019.

国立がん研究センター癌対策情報センター . 最新がん統計.

 

記事執筆

医療法人社団尚視会 理事長 原田英明

・日本消化器内視鏡学会 専門医 指導医 https://www.jges.net/medical

・日本消化器病学会 専門医 https://www.jsge.or.jp/

・米国消化器内視鏡学会 国際会員 https://www.asge.org/

・欧州消化器内視鏡学会 国際会員 https://www.esge.com/

<施設紹介>

東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 足立区院

JR北千住駅西口より徒歩2分、つくばエクスプレス北千住駅より徒歩2分、東京メトロ日比谷線北千住駅より徒歩2分、東京メトロ千代田線北千住駅より徒歩2分、東武伊勢崎線北千住駅より徒歩3分

ホームページ https://www.senju-ge.jp/

電話番号 03-3882-7149

住所 東京都足立区千住3-74 第2白亜ビル1階

診療時間 月~土 9:00~12:00 14:00~17:30、日  9:00~12:00 (午後は検査のみ)、休診日:祝日、年末年始

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