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なぜ、胸焼け症状の治療(オンデマンド療法)が良いの?

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こんにちは、尚視会理事長・消化器内科医の原田です。

 

今回は、「なぜ、胸焼け症状の治療(オンデマンド療法)が良いの?」について解説したいと思います。

 

逆流性食道炎とは

 

外来診療で胸焼け症状のある患者さんの治療で、いつも聞かれるのが「お薬をいつまで飲み続ければいいのでしょうか?」という質問です。

 

胸焼け症状のある患者さんには内視鏡検査を行い、食道の粘膜にただれや発赤・びらんが無いかどうかを確認することが必要となることがあります。GERD症状があり食道の粘膜にびらんが認められることをびらん性GERDといいます。

 

胸焼け症状の程度や内視鏡の所見を合わせて私たち消化器内科医はお薬を処方しています。基本的には、PPI(パリエット、ネキシウムなど)もしくはPCAB(タケキャブ)という胃酸を抑えるお薬を中心に処方することが多いです。PPIやPCABを内服することで胃酸が抑えられ胸焼け症状などは改善します。

 

患者さんの心配としては、いつまでお薬を内服しないといけないのかということになるかと思います。

 

症状が軽く内視鏡の所見も軽い方ですと、1~2週間程度内服して症状が落ち着けばそのまま一旦内服終了となります。

 

症状は軽いが内視鏡の所見が重症の方ですと、食道の粘膜が正常となるまで内服が必要となることがあります。患者さんによっては比較的長期に内服してもらわないといけないこともあります。

 

症状は重く内視鏡所見も重症の方ですと、やはり長期での内服が必要となることが多いです。びらん性GERDの改善を確認するために定期的な内視鏡検査も必要となります。

 

一番の問題となるのは、症状は重いが内視鏡所見は軽度という方です。このような患者さんの場合には、症状が長く続くため長期にPPIないしPCABを内服することが必要となる場合が多い印象です。PPIないしPCABは胃内における胃酸を低下させますので、長期の内服により下記のような弊害が生じる可能性があります。

 

・鉄欠乏

・ビタミンB12吸収障害

・カルシウム吸収障害

・ガストリン産生上昇

・腸内細菌叢の乱れ

 

上記のような弊害により、貧血・骨粗鬆症・胃ポリープ増加・感染症などにかかり易くなる可能性があり得ます。

 

そこで現在注目されているのがPPIないしPCABのオンデマンド療法です。オンデマンド療法とは、胸焼け症状などが出そう、もしくは出た時点でPPIないしPCABを内服して症状が治まったら内服を中止するという治療法です。オンデマンド療法では連日内服する継続療法と比べお薬の内服総量が半減したという報告もあり、医療経済的にも優れた治療法と考えられています。

 

ただし症状が重い方やびらん性GERDが重症である患者さんは連日内服する必要がありますのでご注意してください。

当クリニックでは患者さん個々人にとって一番良い治療法を選択することができるようにしたいと考えております。

 

以上が「なぜ、胸焼け症状の治療(オンデマンド療法)が良いの?」を解説いたしました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。胸焼け症状の治療法についてご質問のある患者様に関しましては、担当の外来医師にご相談ください。

 

・Seung Joo Kang et al. On-demand Versus Continuous Maintenance Treatment of Gastroesophageal Reflux Disease With Proton Pump Inhibitors, A Systematic Review and Meta-analysis. J Neurogastroenterol Motil. 2021; 28: 5-14

・Side effects of long‑term use of proton pump inhibitors: practical considerations; Chiara Castellana, Pol Arch Intern Med. 2022; 131: 541-549

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