ブログ

内視鏡検査でがんをどうやって見分けることができるの?

local_offer内視鏡お困りQ&Aブログ

皆様こんにちは、尚視会理事長・内視鏡専門医の原田です。当クリニック「東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリック 足立区院」は、北千住駅徒歩2分にある内視鏡専門クリニックです。

 

今回は、「内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)でがんをどうやって見分けることができるの?」ついて詳しく解説したいと思います。

 

・内視鏡医は内視鏡検査でどうやってがん細胞を見分けているんだろう?

・検査で問題ありませんと言われたけど本当に大丈夫なんだろうか?

 

このような不安や疑問をお持ちの方に向けて、内視鏡検査で医師がどの様にがんを見つけているのか紹介します。

がんを見つける方法はいくつかありますが、内視鏡システムに搭載されているNBIという観察補助機能を取り上げて説明していきます。

NBIを使用することで、今まで見落としの多かった場所のがんも簡単に見つけられ、早期発見・早期治療が実現可能です。

この記事を読むと以下の点がわかります。

 

・なぜNBIを使うと簡単にがんが見分けられるのか

・NBIは誰が受けられるのか

・早期発見・早期治療のメリット

 

医療技術について、図や表を用いてわかりやすく説明していますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

がんはNBIを使えば簡単に見つけられる

 

内視鏡検査でがん細胞の発見は、NBIという観察補助機能を使うことで簡単に見つけられるようになりました。

2006年にNBI搭載の内視鏡システムが発売されて以降、食道がんや胃がん、大腸がんの新規患者数は増え続けています。

各疾患の年別新規がん患者統計一覧を以下に示します。

 

〇食道癌

 

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

人数

18,723

19,994

20,556

20,787

21,427

23,119

21,965

22,812

22,784

23,143

 

 

〇胃がん

 

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

人数

116,911

117,320

122,910

122,632

125,730

132,033

132,159

131,893

129,239

128,881

 

 

〇大腸がん

 

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

人数

106,904

109,140

112,772

116,342

118,979

124,921

134,575

131,389

135,434

140,339

 

 

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))

 

新規がん患者が増え続けている理由は、NBIの普及だけではありません。

政府主導によるがん検診の促進、メディアによる早期発見・早期治療の意識づけも要因の1つです。

NBIによるがんの新規発見は、特に食道がんで効果を発揮しており、理由については後で説明しています。

NBI観察における注意点は、発見した病変をがん細胞と断定することはできないことです。

なぜ断定できないのかご説明します。

 

NBIだけでは確定診断できない

 

上記でNBIはがんの発見に役立っていると説明しましたが、厳密に表現すると「がん細胞疑いの発見」です。

上記のような回りくどい言い方をする理由は、内視鏡での観察だけでは確定診断できないからです。

がんと断定するためには、生検で細胞を採取し、顕微鏡で観察を行う必要があります。

そのため、NBIで観察し正常な細胞と異なる細胞を発見したとしても、すぐにがん細胞とは言い切れません。

生検で採取した結果は、通常2週間程度で結果が届き判明します。

NBIは、あくまで病変を見つけやすくするための補助機能と覚えておいてください。

 

NBIの原理

 

NBIとは「Narrow Band Imaging」の略で日本語で言い換えると「狭帯域観察画像」です。

狭帯域についてわかりやすく説明していきます。

太陽光には様々な色の光が含まれており、太陽光に含まれている色の種類は虹と同じ7色に分けられることが多いです。

 

1.赤

2.橙

3.黄

4.緑

5.青

6.藍

7.紫

 

上記7色のうち、青と緑を使用して内視鏡検査に利用したのがNBIです。

NBIは使用する光を減らすことでコントラストを変え、血管を暗く映し出します。

 

 

上図が白色光とNBIの見え方の違いです。

白色光よりもNBIの方が血管を見つけやすいのがわかると思います。

NBIは血管を見つけやすくし医師が、がんを見落とさないように補助しているのです。

血管が見やすくなると、なぜがんが見つかりやすくなるのか説明します。

 

血管が見やすくなるとがんを見落とさなくなる理由

 

がん細胞は毛細血管が集まりやすい特徴があるため、NBIを使うとがん細胞の周囲は茶色く見えます。

一方、通常の粘膜は白く見えるため、茶色い塊があると病変にすぐ気づけます。

NBIはがん細胞自体を見つけやすくしているのではなく、がん細胞の特徴に着目し、血管を強調した結果、がん細胞を発見しやすくなったのです。

次にNBIでの観察が特に有効な部位について説明していきます。

 

NBIが特に有効な観察部位

 

NBIでの観察が有効な部位は食道と咽頭(いんとう)です。

咽頭とは口の奥から食道までの間をさします。

咽頭から食道はNBIで観察すると正常な粘膜は白く見えます。

白く見える理由は、咽頭から食道の表面は扁平上皮細胞で覆われており、NBIの青と緑の光が反射するからです。

扁平上皮細胞は、NBIで観察すると白く見えますが、病変部分は血管が集中し茶色く見えるため、異常があるとすぐに見つけられます。

食道での病変観察は、NBIが普及する前はヨード液を使用していました。

ヨード染色はアレルギー反応や胸痛、胸やけが起きるデメリットがあり患者様に負担のかかる検査です。

しかし、NBIでの観察はデメリットがなくヨード染色と同等の効果が得られ、手元のボタンひとつで切り替えでき手間もかかりません。

そのため、現在は咽頭から食道までNBIで観察するのが主流です。

今まで見つけにくかった食道の早期がんや咽頭腫瘍が見つけやすくなった、という報告が内視鏡学会でも複数挙げられ、早期がん発見に効果のある観察方法と認められています。

 

NBIを使用した検査は誰でも受けられる

 

これまでの説明を読み、「NBIはがんや病変がある人だけに使用するものだ」と思った方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。

NBIはどの患者様にも使用できますし、がんや病変がなくとも使います。

なぜなら普段からNBIを使用し、正常な状態でどんな見え方をするのかわかっていないと、異常があった場合に気づけないからです。

しっかりとした教育を受けている消化器内科医であれば、上記の理由から常にNBIでの観察を行います。

実は、内視鏡検査の条件として「咽頭・食道を必ずNBIで観察する」といったルールはありません。

しかし、実績のある医師が検査を行うのであれば、きちんと観察してくれているのかと不安に感じる必要はありません。

玄関で靴を脱いでから家にあがるのと同じくらい、消化器内科医にとって咽頭・食道をNBIで観察するのは常識だからです。

当クリニックでは知識と技術を積んだ専門医のみ在籍していますので、安心して内視鏡検査を受けられます。

 

がんの早期発見は多くのメリットがある

 

がんを早期に発見し治療すると多くのメリットを受けられます。

早期発見し早期治療を行って得られるメリットを5つ紹介します。

 

・入院期間が短くなる

・切除部位が少なくて済む

・体にキズが残らない

・他臓器への転位を防げる

・死亡リスクが低い

 

順番に説明していきます。

 

入院期間が短くなる

 

当クリニックで早期胃がんが見つかり、ESD(内視鏡での切除)を行った場合、通常3泊4日で退院できます。

状態が悪く引き続き入院が必要と判断されると、この限りではありません。また、当クリニック所属の医師が関連の病院で治療を行っていますので、安心して検査を受けられるかと思います。

外科手術となった場合は、10日から2週間程度は入院が必要となり、費用も高額になります。

内視鏡で治療すれば、より早く退院できます。

現役で働いている方や、できる限り入院日数を短くしたい方は、定期的に内視鏡検査を受け早い段階でがんを発見することが大事です。

 

切除部位が少ない

 

早期にがんを発見すると切除する部位が少なくて済みます。

がんを切除する際は、がん組織ギリギリを切除するのではなく、余裕を持って正常粘膜からがん組織を取り囲み切除します。

理由として、がん組織ギリギリで切除すると、切除しなかった部位にがん組織がわずかでも含まれていると、再度がんが広がるからです。

早期に発見できなかった場合、胃や食道・大腸を大きく切除することになり、食事制限やストーマによりQOLを大きく損ないます。

内視鏡的に切除可能な段階で発見できるよう定期健診に通いましょう。

 

体にキズが残らない

 

がんが大きくなり外科手術となった場合、開腹手術と腹腔鏡下手術の2種類に分けられます。

腹腔鏡下手術はキズが少なく体へのダメージが少ないですが、お腹に4~5カ所穴を開ける必要があります。

早期に発見できれば、内視鏡での切除が可能なため、お腹に穴を開ける必要もありません。

体に傷が残らないことは、女性にとっては大きなメリットと言えます。

 

他臓器への転移を防げる

 

がんは臓器の粘膜表面に発生し、成長とともに臓器の奥深くに広がっていきます。

内視鏡で切除可能な段階で見つかったがんは、他臓器へ転移する可能性は極めて低いです。

発見が遅くなり、がんが大きくなってしまうと転移している可能性も高くなり、いつどこの臓器でがんが発症するかといった不安が常に付きまといます。

がんが見つかることは悪いイベントですが、早期に見つかり治療することで、その後の人生は安心して過ごせます。

年に1度の検診で、不安と共に生きるリスクを回避できるのは金額・手間と得られる価値を比べればどちらが大きいか一目瞭然です。

面倒だと一度検診をさぼると一生後悔することになるかもしれません。

 

死亡リスクが低い

 

がんは早期に見つかるほど死亡リスクが低いです。

国立がん研究センターが発表している胃がんの5年生存率のデータを以下に載せます。

 

部位

限局(胃内に限る)

領域※1

遠隔※2

5年生存率

96.7%

51.9%

6.6%

出典:全国がん罹患モニタリング集計 2009‐2011年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター,2020)

※1 領域:胃の所属リンパ節への転移を伴うが、隣接臓器への浸潤なし

※2 遠隔:遠隔臓器、遠隔リンパ節などに転移・浸潤あり

 

上記の統計では早期・進行がんといった分類ではありませんが、胃の中に限定されている(早期がん)のか他部位に転移しているのか(進行がん)と捉えることができます。

胃内にがんが留まっている場合は96.7%と高い確率で5年生存可能です。

しかし、他部位に転移すると5年生存率が一気に半減し51.9%まで落ち込み、遠隔に転移すると6.6%まで減り、5年生存することが難しくなります。

この結果から、毎年の定期健診で転移する前にがんを取り除くことが、どれほど大事かわかっていただけると思います。

 

当クリニックの内視鏡システムを紹介

 

当クリニックは、オリンパス社の次世代内視鏡システム「EVIS X1」を東京都内で最初に導入しています。

EVIS X1は光源がキセノンランプからLEDに変わったため、視野の明るさも向上しています。

そのため、従来の内視鏡システムに比べ広範囲に明るく観察できます。

画質は4K画質で表示することができ、極めて細かい小さな病変も見落とさず検査可能です。

今回紹介しているNBIも当然使用できます。

当クリニックは今後も最先端の医療技術を積極的に取り入れて患者様に提供していきます。

 

内視鏡検査はぜひ当クリニックで

 

当クリニックでは質の高い医療を提供できる医師を揃え、最新の医療機器を導入しています。

先に紹介した内視鏡システムは、東京都内でも導入しているクリニックや病院はまだ少ないため、EVIS X1で観察できる当クリニックで検査を受ける価値はあると思います。

 

・同じ検査費用で受けるなら最新の医療技術で質の高い検査を受けたい

・見落とされないかなという不安を抱えることなく胃カメラを受けたい

 

このような不安や希望がある方はぜひ当クリニックに足を運んでください。

当クリニックに勤めている医師は、全員が学会の専門医を取得しており、知識・実績・技術どれも高いレベルです。

ご要望に応えられる内視鏡検査を提供いたします。

内視鏡検査をどこで受けようか迷っている方は当クリニックをおすすめいたします。

 

記事監修

医療法人社団尚視会 理事長 原田英明

・日本消化器内視鏡学会 専門医 指導医

・日本消化器病学会 専門医

・米国消化器内視鏡学会 国際会員

・欧州消化器内視鏡学会 国際会員

TOPへ