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大腸内視鏡検査前の大事なお食事|易消化、低残渣の食事内容とは?

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大腸内視鏡検査(大腸カメラ)はポリープや大腸がんを早期に発見するための検査です。食べ物の残りカスや汚れが残っていると小さな兆候を見逃す可能性があります。正確に病変を見つけるために最も重要なのは、腸の中をきれいにしておくことです。

 

大腸内視鏡検査は検査当日に下剤を飲んで大腸内をきれいな状態にする必要があります。そのため検査の数日前から下剤の効果が最大限出るように腸内を整える必要があります。

 

今回は、検査前に腸をきれいな状態に整える食事内容について解説します。ご紹介する調理方法やおすすめメニューを参考にして万全の状態で検査に臨みましょう。

 

 

大腸内視鏡検査に適した食事3つの条件

 

 

①消化速度が速い

②食物繊維が少ない

③脂質が少ない

 

 

以上3つが大腸内視鏡検査に適した食事です。それではそれぞれについて説明します。

 

①消化速度が速い

 

胃と腸を通過する時間が短ければ、消化速度が速いと言えます。口から入ってきた食物は食道を経て胃にたどり着きます。胃に留まる時間は平均1から2時間と言われています。胃で分泌される胃酸で分解された食物は十二指腸を通って小腸にたどり着きます。

 

小腸の通過時間は平均3から4時間です。小腸で消化吸収された後は大腸に到達します。大腸の通過時間は平均24から48時間です。ここで示した通過時間より短い場合、消化速度が速いということになります。消化が遅い食物は消化管に残りカスが留まりやすいので、消化速度が速い食事は大腸内視鏡検査に適しています。

 

②食物繊維が少ない

 

食物繊維が多いほど消化速度が遅くなります。これは、ヒトが食物繊維を分解する能力を持たないためです。ヒトの代わりに腸内細菌が食物繊維を発酵させて消化吸収しています。食物繊維には便の量を増やす働きがあります。

 

通常時、便の量が多いのは良いことですが、検査前となると話は別です。不溶性食物繊維を消化吸収した残りカスが増えた便の正体なので、検査の精度を上げるためには、残りカスが少ない不溶性食物繊維控えめの食事がおすすめです。

 

③脂質が少ない

 

脂質の消化には時間がかかります。胃に留まる時間は長い順に、脂質、タンパク質、炭水化物となります。個人差はありますが、炭水化物は2から3時間、タンパク質は4から5時間なのに対して、脂質の胃内滞留時間は7から8時間と言われています。

 

脂肪が多い食事は、胃に留まる時間が長いため満足感を得やすいという長所がありますが、消化管を通過する時間が長いと腸に残りカスが留まるので、検査前には脂質を控えた食事が望ましいです。

 

易消化食、低残渣食はどんな食事?

 

易消化食、低残渣食とは

 

 

易消化食、低残渣食とは、消化に際して胃腸への負担が少ない食事を指します。

 

胃腸への負担が少ない食事とは、不溶性食物繊維と脂肪が少なく、不溶性食物繊維以外の炭水化物とタンパク質を主体とした食事です。煮る、茹でる、蒸すといった消化に良い調理方法で作られます。

 

その他には、香辛料や食塩の塩味、砂糖の甘味が控えめという特徴もあります。胃腸への負担が少ない食事は、腸の残りカスも少ないので、胃腸が弱った時だけでなく検査前に腸をきれいにしたい場合にも役立ちます。

 

易消化食と低残渣食が必要な状態

 

大腸内視鏡検査前以外にも易消化食と低残渣食は活用されています。胃・十二指腸潰瘍、腸炎、などをはじめとする消化器が炎症を起こすような病気に罹った場合、小腸切除後、大腸内の手術前後にも胃腸に負担が少なく、大腸内をきれいにする易消化食と低残渣食を提供します。

 

消化能力が低下したり、消化器に炎症があったりすると、通常の食事では病態が悪化する場合もあるので、体調に合わせた食事の選択が重要です。

 

易消化食と低残渣食は大腸内視鏡検査前日に最適な食事

 

大腸内視鏡検査の精度を上げるために最も大切なことは、腸の中をクリアにしておくことです。腸の中に残りカスを残しにくい易消化食と低残渣食は、大腸内視鏡検査前の食事として最適な食種です。

 

大腸内視鏡検査前日に適した調理方法

 

くたくたに煮込む

 

生の野菜や肉の組織は繊維が硬いので、消化する際に胃腸へ負担をかけてしまいます。くたくたになるまで煮込めば、軟らかく消化しやすい状態になります。軟らかく煮込んだ後、さらにひと手間かけて裏ごしすれば大きな繊維を除去できるので、より消化性が向上します。

 

おすすめは肉や魚、野菜を大根おろしと合わせて煮たおろし煮です。不溶性食物繊維が豊富な食品は煮込んでも消化に良くならないので、ゴボウやレンコンは避けるようにしましょう。

 

油をできるだけ使わずに焼く

 

脂質が少ないささみや白身魚を選んでも、油をたっぷり使って焼いてしまえば易消化食では無くなってしまいます。フッ素加工が施されたフライパンを使えば、油を使わなくても焦げ付かずに焼けます。

 

調理器具を新たに買い揃えるのはちょっと、という方にはくっつかないタイプのアルミホイルがおすすめです。現在お使いのフライパンの上に敷いて使えば焦げ付かないので油の使用量が減る上に、洗う手間も軽減されます。

 

油で炒める、揚げるのは避ける

 

調理に油を使うと消化性が落ちて胃腸への負担が増えてしまいます。食材を油で炒める、揚げる場合、油は食材表面に付着するだけでなく、食材内部にも吸収されることを知っておく必要があります。同じ加熱調理でも、フッ素加工フライパンで焼く場合と揚げる場合では油の量に大きな差が生まれます。

 

ナスを例に挙げて考えてみましょう。ナスは加熱するとトロッとした食感になるので、消化に良い野菜の1つとして数えられます。しかし、油の吸収率が高いため、素揚げや天ぷらにするとナスの重量に対して10パーセント以上の油を吸収してしまいます。腸をきれいにしておくには、油を使わない加熱方法で調理するのが望ましいです。

 

朝食は普段より消化に良い調理方法を実践

 

ご飯は普段の硬さでもOK!パンはトーストして食べる

 

前日の朝食に厳格な制限はありません。ご飯派の方は普段食べる硬さと同じくらいで構いませんが、消化が遅いかもしれないと心配な場合は、軟らかめに炊飯したりお粥にしたりすると良いでしょう。

 

パン派の方には、消化を良くするためにトーストをおすすめします。パンは焼くことでそのまま食べるより胃腸にかかる負担が減ります。

 

脂の少ないタンパク源を選ぶ

 

鶏もも肉や豚バラ肉を食べるのは避けましょう。魚も淡白な味わいの白身魚がおすすめです。脂の乗ったサンマやマグロ、ブリなど美味しい旬の魚も検査前だけは我慢するのが賢明です。

 

鶏肉ならもも肉より胸肉、ささみ、豚ならバラ、ロースよりヒレにすれば、脂質の量を抑えられます。鶏卵も脂質が多いので、食べ過ぎに注意しましょう。

 

ジュースやコーヒーは避ける

 

果物、野菜を原料にしたジュースやスムージー、ココアには食物繊維が豊富に含まれます。糖類や酸も胃腸に刺激を与える場合があります。カフェイン、カテキンなどの刺激性のある物質が含まれるコーヒー、紅茶、緑茶も白湯や麦茶に置き換えると良いです。

 

また、冷たい飲み物全般も控えましょう。暑い日でも、常温以上の温度の飲み物を飲むと胃腸への刺激を最小限に抑えられます。牛乳や豆乳も脂質が豊富なので検査前日は少なめに飲むようにしましょう。

 

香辛料も控えよう

 

カレーのように香辛料がたっぷりな料理も検査前に不向きです。カレールウには、香辛料と脂質、食塩が大量に入っているので、検査前には適しません。

 

唐辛子と油をふんだんに使用する中華料理や韓国料理も控えましょう。和食を食べる場合にも、わさび、山椒、七味をかけすぎないようにするのがおすすめです。

 

軟飯はセーフ?おすすめの昼食メニュー

 

軟らかいご飯と煮込んだ麺類

 

前日のお昼には普段より軟らかく炊いたご飯を食べるようにしましょう。米150グラムに水300ミリリットルで炊くと程よい軟らかさのご飯になります。讃岐うどんのようにコシがある麺ではなく、噛まなくても飲み切れるほど軟らかく煮込んだうどんもおすすめできます。

 

食物繊維が豊富な野菜や海藻を避ける

 

レンコン、ゴボウ、タケノコ、ブロッコリー、オクラのような食物繊維たっぷりの野菜は避けましょう。昆布やひじきも食物繊維が豊富なので、炒め煮として加熱調理していても検査前には食べない方が良いです。

 

キクラゲなどのきのこ類も食物繊維を多く含むので食べないようにしましょう。

 

脂が少ない白身魚を選ぶ

 

脂が少ない白身魚には、カレイ、タラなどがあります。脂が多い魚には、サンマ、マグロ、ウナギ、ブリなどが挙げられるので、これらの魚以外を食べるようにしましょう。

 

白身フライのように揚げる調理ではなく、煮付けやグリルで焼く、ホイル蒸しがおすすめです。

 

お肉は脂をカットして食べる

 

鶏もも肉の皮や、豚肉の端に乗っている脂は取り除いて調理するようにしましょう。1枚あたり200グラムの鶏もも肉では皮を取り除くだけでおよそ18グラムも脂質を減らすことができます。

 

霜降り牛肉のような全体にサシが入ったお肉は軟らかいですが、脂質含有量が多いので検査前には向かない食材です。

 

野菜は控えて!お粥メインのおすすめ夕食

 

主食はお粥かにゅうめん

 

前日夜には腸に残りカスが溜まらないよう細心の注意を払った食事を心がけましょう。主食として、軟飯より水分量が多く軟らかいお粥が最適です。お粥には、全粥、七分粥、五分粥、三分粥…とありますが、五分粥程度の軟らかさであれば問題ないでしょう。

 

五分粥は米50グラムに水500ミリリットルでゆっくり煮て炊き上げると作れます。うどんより細い素麺を温かく煮て食べるにゅうめんが消化に良いです。食べやすいのでついつい食べ過ぎてしまわないよう注意して、腹6分に留めることを意識してください。

 

軟らかいタンパク質を摂ろう

 

脂質を控えると、タンパク質が不足しがちになります。肉や魚からタンパク質を摂るのではなく、豆腐などの軟らかい食品からタンパク質を補給するようにしましょう。

 

細かくほぐした白身魚やささみを食べる場合は、加熱はもちろんですが、良く噛んで食べることも意識すると良いです。汁物や麺のスープにお麩を浮かべるのもおすすめです。

 

野菜や果物は食べない

 

食物繊維が豊富な根菜だけでなく、野菜と果物全般を控えるようにしましょう。物足りなく感じるかもしれませんが、味噌汁やにゅうめんの汁には野菜の具を入れないのが鉄則です。

 

豆腐、お麩、カニかまぼこなどの具材を入れれば食事を楽しみやすくなります。デザートとして果物が食べたくなっても、検査前には控えましょう。

 

大腸内視鏡検査前の食事まとめ

 

 

大腸内視鏡検査は大腸内にポリープやがんの病変がないか調べるための検査です。検査の精度を高めて、病気の兆候を早期発見するには腸の中をきれいで見やすい状態に整える必要があります。

 

食物繊維と脂質が少ない食材を選び、油を極力使わない調理方法で加熱することで、胃腸に負担が少ない易消化食、低残渣食を作ることができます。食物繊維と脂質の量を抑える以外に気をつけるべき点は、香辛料、刺激物、塩味と甘味が強い物を避けることです。

 

最後にもう一つ注意点があります。食事内容に気をつけても食べ過ぎてしまっては消化に時間がかかってしまい、腸に食べカスが残るので、腹六分程度を心がけて食べるようにし、検査に備えましょう。

 

 

 

 

記事監修

医療法人社団尚視会 理事長 原田英明

・日本消化器内視鏡学会 専門医 指導医 https://www.jges.net/medical

・日本消化器病学会 専門医 https://www.jsge.or.jp/

・米国消化器内視鏡学会 国際会員 https://www.asge.org/

・欧州消化器内視鏡学会 国際会員 https://www.esge.com/

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東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 足立区院

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