こんにちは、尚視会理事長・消化器内科医の原田です。
今回は、「なぜ内視鏡検査が必要なの?」について解説したいと思います。
内視鏡検査はCT検査やエコー検査などと同様で画像を使って検査・診断を行いますが、CT・MRI・エコーなどの画像診断検査と比べやや侵襲性が高い検査と言えます。侵襲性が高いというのは、身体に負荷がかかる検査であるという意味です。通常では口やおしりから挿入することのない筒状の1mほどの長いスコープを挿入して検査をしなければなりません。昔と比べてスコープの性能も向上し、細く柔らかくなりましたがそれでもある程度苦痛のある検査と言えます。
ではなぜ苦痛のある検査をしなければならないかといいますと、現在の医療機器のレベルでは内視鏡以外のCT・MRI・エコーなどでは消化管(食道・胃・小腸・大腸)の詳細な検査が困難だからです。CT・MRI・エコーなどは実質臓器と言われる肝臓・脾臓・腎臓・膵臓などの臓器の検査・診断には非常に有効ですが、管腔臓器と言われる消化管は臓器の壁も非常に薄くCT・MRI・エコーなどで描出することは難しいと言われています。消化管で何か病変をCT・MRI・エコーで発見できた場合には初期の段階ではなくて進行した状態であることが多いと考えられます。
小さな病変やポリープ・癌などが初期の段階で発見するためにはCT・MRI・エコーなどではなく少し侵襲はありますが内視鏡検査が最適な検査です。また、内視鏡検査では、検査の途中で生検鉗子というものを使用し組織検査を行い癌であるかどうかなどの検査も行うことができます。大腸ポリープに関しては、その場で切除することも可能です(当院では日帰り大腸ポリープ切除を行っています)。
苦しい・痛いなどの侵襲性の気になる内視鏡検査ではありますが、静脈麻酔を使用すれば痛み無く安全に検査を受けることが可能です。また、当院では胃カメラと大腸カメラを同時に受けることができ1日で検査を終えることが可能です。静脈麻酔の使用や胃・大腸同日検査に関しては担当の医師にぜひご相談してください。
以上が「なぜ内視鏡検査が必要なの?」を解説いたしました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。