ピロリ菌を除菌後5年経つとどうなる?除菌後の胃がんリスクも解説

「ピロリ菌を除菌したら、もう胃がんの心配はない」と思っていませんか。

実際は、ピロリ菌の除菌に成功しても、胃がんリスクは残り続けます。さらに、除菌後5年以内は除菌時に小さくて見つけられなかったがんが存在している可能性もあるため、定期的な内視鏡検査が必要です。

この記事では、ピロリ菌と胃がんの関係や、除菌後に気をつけるべきことについて、東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニックが解説します。ピロリ菌を除菌した後の対応を知りたい方は、ぜひご一読ください。

1年で約5,800件もの胃カメラ検査実績(2022年)のある当院では、経験豊富な専門医が鎮静剤を用いて苦痛の少ない内視鏡検査をご提供しています。WEBで24時間予約を承っているため、お忙しい方もぜひお気軽にご利用ください。

 

ピロリ菌とは?

ピロリ菌とは、正式名称を「ヘリコバクター・ピロリ」という、大きさが約4/1,000 mmのらせん状の細菌です。

胃は胃酸の働きで強い酸性であるため、通常の細菌は生息できません。しかし、ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を使って胃酸を中和し、胃の中を自分が生きられるアルカリ性の環境にすることで胃に住み着きます。

ピロリ菌に感染したら、必ず胃潰瘍や胃がんを発症するわけではありませんが、感染した人のほとんどに胃炎が起こります。ピロリ菌による胃炎が長く続くと、次第に胃炎が進行し、胃の粘膜が薄くなり萎縮する「萎縮性胃炎」になりますが、萎縮性胃炎は胃がんの原因の一つです。

ピロリ菌を見つけるための検査には、内視鏡を使う方法(迅速ウレアーゼ試験・組織鏡検査・培養法)と、使わない方法(尿素呼気試験・抗体測定検査・糞便中抗原検査)があります。いずれの検査も、まず内視鏡検査を受けて萎縮性胃炎があると診断されない限り、保険適応にならない点に注意が必要です。

 

ピロリ菌の除菌に関して

ピロリ菌の除菌は、胃酸の分泌を抑える薬と、2種類の抗生物質、計3種類の薬が使われます。3種類の薬を一週間服用することで、約8割の人が除菌に成功するといわれます。

除菌後5年の状態

ピロリ菌の除菌治療を受け、5年が経過すると胃はどのような状態になっているのでしょうか。

前提として、ピロリ菌の除菌に成功しても、胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。胃がんの成長速度を考えると、除菌後5年というタイミングは、除菌時にすでに潜在していたがんや見逃されてしまったがんが大きくなり、発見されやすいときです。

そのため、除菌後5年までは毎年内視鏡検査を受け、胃の状態をチェックしてもらうことをおすすめします。

除菌後の判定を行う時期

ピロリ菌は一回の除菌治療で除菌できない場合もあるため、除菌できたかどうかを判定する検査が必要です。除菌判定検査は、全ての除菌治療が終了して4週間以上経過してから行うことと定められています。

除菌判定の検査方法は、薬を飲んで呼気を採取する「尿素呼気試験」が一般的です。当院では除菌治療終了後、8週間後以降に除菌判定検査を行っています。

除菌判定検査でピロリ菌が発見された場合は、二次除菌が行われますが、二次除菌までで、ほとんどの人がピロリ菌を除菌できます。

除菌をした後に再度感染することはある?

ピロリ菌の除菌に成功した人が、ピロリ菌に再感染する確率は1~2%です。ピロリ菌は衛生状態のよくない状況で感染しやすいため、上下水道の整った現代では感染率が低くなっています。

除菌治療後に気をつけるべきなのは、再感染よりも、本来は陽性であるのに誤って陰性と判定される「偽陰性」です。除菌判定を早いタイミングで行ってしまうなどの理由で偽陰性が出ると、本当はピロリ菌が除菌できていないのに、除菌できているものと思って過ごしてしまうおそれがあります。

 

ピロリ菌を除菌しても胃がんリスクは残っている

ピロリ菌の除菌に成功しても、胃がんのリスクがなくなるわけではありません。ピロリ菌に感染している期間が長いと、胃の粘膜がダメージを受けており、正常に戻るのに時間がかかるためです。

除菌後も胃がん検査を年1回行うことを推奨

除菌に成功しても、定期的な内視鏡による胃がん検査が必要です。

ピロリ菌除菌前の胃炎の状態が進んでいるほど、除菌後も胃がんのリスクが高いため、萎縮性胃炎がある場合はより一層注意しましょう。除菌後5年までは、除菌時に見つけられなかった小さながんがある可能性も考慮し、年に1回の内視鏡検査をおすすめします。

潰瘍再発も起こることがある

ピロリ菌は胃潰瘍の原因でもあるため、除菌すると胃潰瘍の再発率が抑制されますが、胃潰瘍は非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の服用が原因で起こることもあります。

胃潰瘍の再発も念頭に置き、年に1回、定期的に内視鏡検査を受けましょう。

胃がんの初期症状

年に1回内視鏡検査を受けていても、以下のような胃がんの初期症状がある場合は、内視鏡検査のタイミングを待たずに早めに医療機関を受診してください。

  • みぞおちが痛む
  • 胸焼け・胃もたれ
  • 下痢や便秘がよく起こる
  • 胃が張ったような感じがある

このような症状は、胃炎や胃潰瘍など胃がん以外の病気でも起こりえます。胃がんに特有の初期症状というものはなく、また進行していても自覚症状が現れない場合もあるため、定期的な内視鏡検査による早期発見が重要です。

 

ピロリ菌の除菌後に胃がんリスクを抑えるためには

ピロリ菌を除菌すると、萎縮性胃炎の進行は抑えられますが、除菌までに胃が受けたダメージにより胃がん発生リスクは残ります。ピロリ菌感染歴がある人は、未感染者と比べ胃がんのリスクが約5倍に高まるといわれます。

除菌後も年に1回、定期的に内視鏡検査を受けることで、胃がんの早期発見が可能です。特に、萎縮性胃炎が見られる人や50歳を過ぎてから除菌した人など、胃がんリスクの高い人は、除菌後5年以内は毎年内視鏡検査を受けるようにしてください。

比較的若く、胃炎の状態が軽い人も、除菌後5年以内は毎年内視鏡検査を受け、その後は医師と相談して検査頻度を決めるようにしましょう。

 

まとめ

ピロリ菌に感染していると、胃炎が起こり胃がんや胃潰瘍のリスクが高まるため、除菌治療が行われます。しかし、ピロリ菌を除菌すれば胃がんのリスクがなくなるわけではありません。

除菌時に小さかったがんを見落とさないためにも、ピロリ菌の除菌後5年は年に1回の内視鏡検査が必要です。

東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック足立区院は、経験豊富な専門医が的確で苦痛の少ない胃カメラ検査を行う内視鏡専門クリニックです。鎮静剤を用いた苦痛の少ない内視鏡検査を実施しており、当院で内視鏡検査を受けた方の95%以上から「全く痛くなかった」とのお声をいただきました。

また、当院は内視鏡治療後(ポリープ切除後)の合併症に対して、関連病院で24時間365日対応しており、安心して検査を受けられます。

ピロリ菌除菌後の定期的なフォローアップは、苦痛の少ない内視鏡検査を行う当院にぜひご相談ください。WEBおよびLINEより24時間ご予約を受け付けています。

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