なぜ内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)が必要なの?

「胃カメラってなぜ受けないといけないの」
「大腸カメラって大変そうだから受けたくない」
「内視鏡検査って受けないといけないのかなぁ?」

などお考えの方も多いかと思います。内視鏡検査は、胃カメラ(胃内視鏡検査)と大腸カメラ(大腸内視鏡検査)で小腸以外の消化管を検査することができます。小腸(空腸・回腸)には、基本的にポリープやがんは発生する確率は低いと言われています。その他の消化管である食道・胃・十二指腸・大腸は比較的ポリープやがんなどの病気が出来やすいと考えられており内視鏡で観察することで早期発見・早期治療につながると考えられています。

ではなぜ内視鏡検査が必要なのでしょうか?身体を調べる検査には、CT検査・MRI検査・超音波検査などがありますが、なぜ消化管には内視鏡検査が必要となるのかを今回は詳細に解説したいと思います。

1章、なぜ内視鏡検査が必要なのか?

どうして食道・胃・十二指腸そして大腸は、内視鏡検査が必要なのでしょうか?肝臓や膵臓・脾臓などの実質臓器(じっしつぞうき;中身がギュッと詰まった臓器のこと)の場合は、CT検査・MRI検査・超音波検査で臓器をスキャンして検査をすることが可能です。

では食道・胃・十二指腸・大腸などの管腔臓器(かんくうぞうき;空洞のある臓器のこと)では、どうして内視鏡検査が必要なのかを解説していきたいと思います。

1-1、胃カメラが必要な理由

食道・胃・十二指腸は、胃カメラで直接管腔内(かんくうない)を観察する必要がある。

食道・胃・十二指腸といった上部消化管は、管腔臓器といって空洞のある構造となっています。この上部消化管の壁は、非常に薄い構造となっておりその壁の厚さは数mm程度となっています。上部消化管の壁は、いくつかの層(通常は5層)に分かれており、がんやポリープなどは通常一番内側の粘膜層というところに発生します。

上部消化管の壁は非常に薄いためCT検査・MRI検査・超音波検査などの実質臓器に適した検査では、上部消化管の内側にできた病変を明瞭に検出することが困難となっています。一方、胃カメラでは、上部消化管の内側の壁を直接映像で確認することができるため管腔臓器の検査に適しています。

以上のように直接、食道・胃・十二指腸を内側からカメラで観察することで、がんやポリープといった病変を拾い上げていくことが大切なのです。

1-2、大腸カメラが必要な理由

大腸は、大腸カメラで直接管腔内(かんくうない)を観察する必要がある。

下部消化管である大腸は、上部消化管(食道・胃・十二指腸)と同様に管腔臓器といって空洞のある構造となっています。下部消化管の壁も同様に非常に薄い構造となっています。その壁の厚さは数mm程度となっています。下部消化管の壁は、いくつかの層(通常は5層)に分かれており、がんやポリープなどは通常一番内側の粘膜層というところに発生します。

下部消化管の壁も非常に薄いためCT検査・MRI検査・超音波検査などの実質臓器に適した検査では、下部消化管の内側にできた病変を明瞭に検出することが困難となっています。一方、大腸カメラでは、下部消化管の内側の壁を直接映像で確認することができるため管腔臓器の検査に適しています。

以上のように直接、大腸を内側からカメラで観察することで、がんやポリープといった病変を拾い上げていくことが大切です。

2章、どのような時に内視鏡検査が必要なのか?

上部消化管(食道・胃・十二指腸)と下部消化管(大腸)は直接内視鏡で検査をすることで様々な病気を発見することが可能ですが、どのような前兆や症状の時に内視鏡検査をすればいいのでしょうか?

2-1、胃カメラが必要となるのはどんな時?

胃カメラが必要だと考えられる前兆や症状としては以下のようなものが挙げられます。

・胃に痛みがある
・上腹部に違和感がある
・胸焼け症状がある
・口の中が苦く感じることがある
・繰り返し嘔吐をする
・吐血症状がある
・黒い便がでる
・体重が減っている
・食欲の低下がある

以上のような場合には、胃カメラを受けることをお勧めします。

前兆や症状の他に下記のような場合にも胃カメラを受けることをお勧めします。

・親族に胃がんの方がいる
・ピロリ菌が陽性と言われた
・採血検査で貧血と言われた
・過去に胃潰瘍もしくは十二指腸潰瘍と言われた
・ピロリ菌を除菌したが定期的に胃カメラを受けていない
・胃がんの治療をしたが定期的に胃カメラを受けていない

以上のような場合にも胃カメラを受けていただくことが大事です。

2-2、大腸カメラが必要となるのはどんな時?

大腸がんの場合は、初期の段階では症状がほとんどないため排便状況のちょっとした変化などを見逃さずに大腸カメラを受けるようにすることが大切です。

下記のような前兆や症状の場合には大腸カメラを受けることをお勧めします。

・排便状況の変化
・下痢が続く
・急に便秘になる
・血便がでる
・膨満感がある
・しぶり腹*
・体重が減っている
・食欲の低下がある

*しぶり腹:腸の閉塞が大腸がんにより起こると、便意が頻回にでたり残便感が残ってしまうことがあります。このような症状をしぶり腹と言います(裏急後重[りきゅうこうじゅう]ともいう)。

以上のような場合には、大腸カメラを受けることをお勧めします。

大腸がんの初期症状については、「大腸がんの初期症状とは?漠然とした不安をなくすために専門医が解説」で詳しく解説していますので、ぜひご参考にしてください。

前兆や症状の他に下記のような場合にも大腸カメラを受けることをお勧めします。

・便潜血が陽性と言われた
・親族に大腸がんの方がいる
・採血検査で貧血と言われた
・過去に大腸ポリープを切除したが定期的に大腸カメラを受けていない
・過去に大腸がんの治療を受けたが定期的に大腸カメラを受けていない

以上のような場合にも大腸カメラを受けていただくことが大事です。

大腸カメラが必要な理由については、「大腸がんの自覚症状とは?なぜ大腸内視鏡検査が必要なのかを解説」で詳しく解説していますので、ぜひご参考にしてください。

3章、内視鏡検査に代わる検査はあるのか?

消化管の検査には内視鏡検査が優れており詳細に観察が可能である。

内視鏡検査はCT検査やエコー検査などと同様で画像を使って検査・診断を行いますが、CT・MRI・エコーなどの画像診断検査と比べやや侵襲性が高い検査と言えます。侵襲性が高いというのは、身体に負荷がかかる検査であるという意味です。

通常では口やおしりから挿入することのない筒状の1mほどの長いスコープを挿入して検査をしなければなりません。昔と比べてスコープの性能も向上し、細く柔らかくなりましたがそれでもある程度苦痛のある検査と言えます。

ではなぜ苦痛のある検査をしなければならないかと言うと、現在の医療機器のレベルでは内視鏡以外のCT・MRI・エコーなどでは消化管(食道・胃・小腸・大腸)の詳細な検査が困難だからです。

1章で解説したようにCT・MRI・エコーなどは実質臓器と言われる肝臓・脾臓・腎臓・膵臓などの臓器の検査・診断には非常に有効ですが、管腔臓器と言われる消化管は臓器の壁も非常に薄くCT・MRI・エコーなどで描出することは難しいと言われています。胃や大腸などの消化管で何らかの病変をCT・MRI・エコーで発見できた場合には、初期の段階ではなくて進行した状態であることが多いと考えられます。

小さな病変やポリープ・癌などが初期の段階で発見するためにはCT・MRI・エコーなどではなく、少し侵襲はありますが内視鏡検査が最適な検査です。内視鏡検査では、検査の途中で生検鉗子というものを使用し組織検査を行い癌であるかどうかなどの検査も行うことができます。大腸ポリープに関しては、その場で切除することも可能です。

当クリニックでは、日帰りでの大腸ポリープ切除にも対応しています。詳しくは当クリニックHPを参考にしてください。

まとめ

今回は「なぜ内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)が必要なの?」について解説をしました。本記事のポイントとしては以下のようになります。

・消化管の検査には胃カメラや大腸カメラを受ける必要がある
・消化管の検査にはCT検査・MRI検査・超音波検査より内視鏡検査が優れている
・がんなど病変の早期発見には内視鏡検査が優れている
・内視鏡検査では組織採取やポリープの切除が可能である

苦しい・痛いなどの侵襲性の気になる内視鏡検査ではありますが、静脈麻酔を使用すれば痛み無く安全に検査を受けることが可能です。

当院では胃カメラと大腸カメラを同時に受けることができ1日で検査を終えることが可能です。静脈麻酔の使用や胃・大腸同日検査に関しては担当の医師にぜひご相談してください。

電話での予約は下記より承っています。

ぜひ漫画で分かる胃カメラ・大腸カメラもご参考にしてください。

※2022年4月6日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2023年2月26日に再度公開しました。

施設紹介

東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 足立区院 >>

ホームページ https://www.senju-ge.jp/

電話番号 03-3882-7149

住所 東京都足立区千住3-74 第2白亜ビル1階

診療時間
9:00~12:00
14:00~17:30

※予約検査のみ
※祝日のみ休診

アクセス

JR北千住駅西口より徒歩2分、つくばエクスプレス北千住駅より徒歩2分、東京メトロ日比谷線北千住駅より徒歩2分、東京メトロ千代田線北千住駅より徒歩2分、東武伊勢崎線北千住駅より徒歩3分

施設紹介

秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック 千代田区院 >>

ホームページ https://www.akihabara-naishikyo.com/

電話番号 03-5284-8230

住所 東京都千代田区神田佐久間町1-13 チョムチョム秋葉原ビル9階

診療時間
9:00~12:00
14:00~17:30

※予約検査のみ
※祝日のみ休診

アクセス

JR秋葉原駅より徒歩1分、東京メトロ日比谷線秋葉原駅より徒歩1分、つくばエクスプレス秋葉原駅より徒歩1分

施設紹介

医療法人社団 哲仁会 井口病院 >>

ホームページ https://www.inokuchi-hp.or.jp/

電話番号 03-3881-2221

住所 東京都足立区千住2-19

診療時間
08:30-11:30
13:30-17:15※1 ※2

※1 【整形外科】 火曜の受付を17時00分に終了いたします。
※2【全体】 水曜のみ、混雑緩和のため、受付を13時00分より開始いたします。

アクセス

JR北千住駅西口より徒歩3分、つくばエクスプレス北千住駅より徒歩3分、東京メトロ日比谷線北千住駅より徒歩3分、東京メトロ千代田線北千住駅より徒歩3分、東武伊勢崎線北千住駅より徒歩4分

尚視会での内視鏡検査・診察は24時間予約を承っています。

尚視会での内視鏡検査・診察は
24時間予約を承っています。