左下腹部に違和感や痛みがある場合、考えられる女性特有の病気と受けるべき検査について説明

左下腹部に違和感・痛みがあるという症状の場合には多くの原因があり、中には深刻なものもあります。消化器系の病気が一般的ですが、別の臓器が原因となっている可能性もあります。特に女性の方は婦人科疾患の可能性もあるため注意が必要です。

左下腹部に違和感や痛みが続いていると、原因がわからず病気ではないかと心配になる方もいるかと思います。

原因として真っ先に考えつくのが胃や腸の病気です。しかしお腹には胃や腸だけではなく、色々な臓器があります。そのため、お腹が痛い場合、胃や腸だけではなく他の臓器に異常が起きている可能性もあります。医療機関を受診し、疑わしい病気に合わせて適切な検査や治療を受けることが大切です。

この記事では、左下腹部に違和感・痛みがある場合、どのような病気の可能性があるのかを中心に説明します。最後まで読むと症状に合わせた受けるべき検査がわかり、安心して医療機関を受診できます。

東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニックは、北千住駅から徒歩2分の距離にあり、内科の中でも胃と大腸の内視鏡検査に注力したクリニックです。経験豊富な内視鏡専門医による最新のシステムで検査を行うため、安心して検査にお越しください。

平日はお忙しい方にもご来院いただけるように、土曜日、日曜日も開院しており、WEBから24時間予約が可能です。消化器症状にお困りの方や、健康診断で異常を指摘された方は、ぜひ当院にご相談ください。

女性の左下腹部には何があるのか

左下腹部には右側と同じく大腸、子宮、卵巣、尿管、膀胱などの臓器が存在します。大腸では、下行結腸、S状結腸が左下腹部にあります。

便秘の症状と一緒に痛みを感じることがありますが、機能性便秘(腸の動きの異常が原因の便秘)、器質性便秘(腸の病気が原因で起こる便秘)のどちらもS状結腸に起こりやすいといわれています。

また、大腸がんができやすいのがS状結腸などの左下腹部辺りのため、左下腹部の違和感や痛みに加えて血便や便秘などの症状がある場合は注意が必要です。

 

左下腹部に痛みがでる病気の種類

左下腹部に痛みがでる場合、さまざまな原因が考えられます。便秘や憩室炎などの消化器系の病気のほか、生命の危険を脅かす大腸がんの可能性もあります。代表的な病気について解説していきます。

便秘

左下腹部痛の原因の一つに便秘があります。

便秘には大腸の動きの異常が原因で起こる機能性便秘と、腸の病気が原因で起こる器質性便秘に分けられます。

いずれも、お腹の左下にある大腸の一部のS状結腸に起こりやすく、左下腹部痛が起こりやすいといわれています。

便秘とは一般的に「排便回数の減少(一般的には週3回未満)が認められるとき、かつ排便困難症の症状を訴えるとき」と定義されています。排便の回数が少ない場合を便秘と思われがちですが、以下のような状態が組み合わさることを便秘と呼びます。

  • 排便の量自体の減少
  • 水分摂取不足により硬い便が出る
  • 排便がうまく出せない
  • 残便感がある
  • 腹部が張った感じがある

2、3日に1度の排便であっても、規則的にスムーズに行われすっきりとした満足感があれば、それは便秘とはいえません。

便秘になる原因は人によってさまざまですが、食事や運動、生活習慣の影響によって慢性的な便秘となる要因となります。

また、過去にお腹を切って腸の手術や、子宮や肝臓など腹部臓器の手術をしている場合、腸の癒着が原因で便秘が引き起こされる場合もあります。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群はIBS(Irritable Bowel Syndrome)とも呼ばれ、腸にポリープや炎症などの疾患がないにもかかわらず、お腹の痛みや調子が悪く、便秘や下痢などのお通じの異常が数ヶ月異常続く状態のときに最も考えられる病気です。排便をすると症状が軽減する傾向があります。

原因は諸説ありますが、自律神経が異常を起こし、腸の蠕動運動にトラブルが生じることで発症すると考えられています。

日本では過敏性腸症候群の有病率は人口の10〜20%とよくある病気です。特に女性のほうが多く、腹痛としてはお腹の左下の痛みを訴える方が比較的多いようです。

命に関わる病気ではありませんが、お腹の痛み、便秘・下痢、不安などの症状があるため日常生活に支障をきたすことが少なくありません。

過敏性腸症候群の治療は消化器内科で行います。大腸内視鏡検査を行い、がんなどの病気ではないことを確認してから治療を開始した方が良いでしょう。

腸閉塞

腸閉塞は、何らかの原因で腸の中で食べ物や消化液などの内容物の流れが止まってしまう状態です。正常な腸では、口から摂った飲食物は食道、胃、十二指腸、小腸、大腸を通りながら消化液と混ざって分解され、吸収されます。最終的に最小限の不用物のみが大便として肛門から排出されるようにできています。

ところが腸管がふさがると消化途中の食べ物だけではなく、消化液も再吸収されずにたまってしまい、腸が拡張します。消化物が通過しにくくなると、お腹の痛みやお腹の張り、吐き気や嘔吐などの症状が出てきます。

腸閉塞を起こす原因として、がん、鼠径(そけい)ヘルニアなどがあります。ヘルニアとは、臓器が本来ある場所から飛び出してしまう状態のことです。鼠径(そけい)ヘルニアでは、腸の一部が足の付け根にある筋膜の間から皮膚の下の部分に入り込んでしまった状態になります。

飛び出したまま戻らない状態が続くと、腸が締め付けられて血流が妨げられ、強い痛みがでます。

場合によっては塞がった腸管は血流が悪くなり、腸が壊死してしまう場合があります。腸が壊死した場合は腹膜炎に至り命を落とす危険性が高いため、緊急手術が必要となります。

腸炎

腸炎は腸に炎症が起こっていることで、それにより下痢などの症状がでます。場合によっては胃まで炎症がおよび、胃腸炎と呼ばれることもあります。S状結腸に炎症が起こると、左下腹部痛が起こります。

腸炎になる原因は腸炎の人の嘔吐物や糞便からの感染や、食事や飲み物から感染することがあります。腹痛のほかに下痢が起こることが多いです。

また、S状結腸は虚血により炎症が起きる「虚血性大腸炎」を起こしやすいことで知られています。S状結腸に虚血性大腸炎が起きた場合、左下腹部痛とともに血便が認められることが多いです。

腸炎の主な症状は嘔吐や下痢、腹痛ですが、盲腸など緊急性が高い病気が隠れている可能性があります。そのほか1ヶ月以上続く下痢や血便、抗生物質を飲み始めてから下痢が出現した場合も注意が必要で、医療機関を受診し詳しい検査を受けるようにしましょう。

大腸憩室炎

消化管の壁の一部が拡張して袋状になっている状態を憩室といいます。外側に向けて飛び出すため、内視鏡検査ではくぼみとして確認されます。 

大腸憩室炎とは、消化管の壁の一部が外部にせり出した袋状の憩室に便などがたまり、細菌感染によって炎症を起こす病気です。

憩室は大腸にできることが多く、お腹の右側または右下に位置する盲腸や上行結腸の憩室に炎症が起こった場合に右下腹部痛が起こります。また、発熱や憩室で出血が起きた場合には血便が見られることもあります。

炎症がひどくなると、腸に穴が空いたり、手術が必要になる場合があるため、速やかに医療機関を受診しましょう。大腸憩室炎が疑われる場合には、採血検査・超音波(エコー)検査や腹部CT検査などが行われます。早めに抗生剤を投与することで、重症になるのを防ぐことができます。

大腸がん

大腸がんは早期には自覚症状がほとんどありませんが、S状結腸やその周辺にがんが発生し、がんが進行すると腸の内容物が通過しにくくなり、左下腹部痛を引き起こす可能性があります。

そのほか血便、便秘、下痢、腹部満腹感、貧血、便が細くなる、体重減少などの症状が現れます。

大腸がんは、男女とも40歳以降で発症のリスクが高まり、年齢を重ねるほど発症する可能性が高くなってきます。大腸がんは病態が進行するまで自覚症状がほとんどないため、大腸内視鏡検査で早期発見することが大事です。

大腸ポリープや潰瘍性大腸炎は大腸がんへと発展する恐れがありますので、このような疾患をお持ちの方や、親族で大腸がんを発症した方も定期的な大腸内視鏡検査を受診して大腸がんを予防しましょう。

 

女性特有の左下腹部に痛みがでる病気

左下腹部痛を引き起こす女性特有の病気としては、主に以下のとおりです。

  • 異所性妊娠(子宮外妊娠)
  • 子宮内膜症
  • 卵巣茎捻転
  • 子宮筋腫

異所性妊娠(子宮外妊娠)

妊娠の可能性のある女性で、いきなり下腹部が激しく痛み、性器からの出血(不正出血)があるようなら異所性妊娠(子宮外妊娠)の可能性があります。

異所性妊娠とは、本来なら子宮内に着床するはずの受精卵が子宮内膜以外の場所に着床することをいい、着床部位によって卵管妊娠、卵巣妊娠、腹腔妊娠、頸管妊娠などに分類されます。最も頻度の高いものは卵管妊娠で、異所性妊娠の約95%を占めます。

異常とはいえ妊娠が成立するため無月経となりますが、月経不順の女性では判断が難しく、不正出血を月経と勘違いしてしまう方もいます。初期症状として、つわりのような吐き気を感じることもありますが、まったく無症状の場合もあります。

ただ、気をつけなければならない症状は腹痛です。卵管などの弱い部分で妊娠が成立すると、妊娠の進行によって破裂が起こりお腹の中で大量出血が発生し、最悪の場合には出血性ショックで死亡してしまう可能性もあります。

早期発見が重要なので、躊躇せずに医療機関に行きましょう。

子宮内膜症

子宮内膜症は、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜組織が子宮外にできてしまう病気です。子宮内膜症になると、生理が重くなったり経血量が増加したりすることもあります。子宮内膜が厚い状態が続くことで、周囲の器官と癒着を起こしてしまうこともあるため注意が必要です。

特に、卵巣の中に子宮内膜症ができて古い血液がたまっていく状態を「卵巣チョコレート嚢胞」といいます。卵巣チョコレート嚢胞があると、頻度は少ないものの「卵巣がん」が発生する可能性があるため、定期的なチェックが必要になります。

生理中のキリキリとした強い痛みのほか、腰痛、性交痛が起こることが多く、部位によって左下腹部の痛みとして感じることもあります。また、頭痛や吐き気、めまいなどを伴うこともあり、不妊の症状が現れるのも子宮内膜症の特徴です。

卵巣茎捻転

卵巣茎捻転は、卵巣嚢腫に合併する救急疾患のひとつです。卵巣嚢腫が大きくなった時に何らかの衝撃で周囲の血管や組織を巻き込むようにしてねじれてしまい、そのまま元の位置に戻らないことがあります。こうなってしまうと、卵巣周囲の血流が悪くなり、激しい痛みが生じるとともに、その部位の組織が徐々に壊死してしまいます。

完全に壊死してしまうと手術をしても卵巣を含めた壊死組織の機能は回復しないため、早急な診断と治療が必要な救急疾患といえます。

突然下腹部に激痛が起きて、嘔吐や吐き気、発熱することもあります。

卵巣茎捻転は、卵巣嚢腫を有する女性であれば誰にでも発生する可能性がありますが、卵巣嚢腫の種類や大きさなどによって発生するリスクは異なるといわれています。

子宮筋腫

子宮内の筋肉からできる良性の腫瘍を子宮筋腫と呼びます。30代以上の女性に多くみられ、女性ホルモンの分泌量と関係して肥大化しますが、閉経とともに縮小が見られます。検査などで良性であることが確認できた場合、経過観察するケースも多いでしょう。

子宮筋腫があると、下腹部が圧迫されるような鈍い痛みや、痛みが日を増す毎に徐々に強くなることもあります。また、子宮筋腫のできる場所によっては左下腹部に痛みを感じることがあります。

また、痛み方としても鈍い痛みのこともあれば、押し寄せるような強い痛みを感じることもあります。

 

腹痛(左下腹部)の痛みの原因を調べるための検査とは

腹痛の原因を調べる主な検査は以下のとおりです。

血液検査

血液を採取し、腹痛を引き起こす炎症や貧血などの異常がないかを調べる検査です。炎症があると感染による痛みの可能性があります。尿管結石などの疑いがある場合には腎臓の機能が悪化していないか、胆石や胆嚢炎などの疑いがある場合には肝臓の機能が悪くなっていないかを確認します。

強い腹痛があるときは大抵血液検査で何かしらの異常を示すことが多いです。

腹部レントゲン検査

X線を身体にあて、お腹の中を撮影することで小腸や大腸の病的な拡張がないかを主に診断します。特に腸閉塞の診断に有効です。

レントゲン検査は被曝量も少なく、短時間に終えられる簡単な検査のわりに非常に多くの情報が得られるため有効な検査です。

腹部エコー検査

腹部エコー検査は超音波検査の一つで、腹部に超音波をあて、その反射波を電気信号に変えて画像に表すことで、肝臓や膵臓、胆のうなどの疾患の有無をリアルタイムに検査・診断することができる検査です。

超音波検査は苦痛がなく、身体への負担や影響が少ないため気になる症状や部位に対して、いつでも気軽に繰り返し検査を受けていただけます。

胃内視鏡検査

食道や胃・十二指腸の粘膜の状態を直接観察することで、腹痛の原因となる異常や疾患を見つけ出す検査です。

疑わしい病変が発見された場合は、検査中に採取しそのまま生検検査を行うことも可能です。炎症や潰瘍、がんなどの確定診断を行うのに有効な検査です。

当院では鎮静剤を使用した苦痛の少ない胃カメラ検査を実施しているため、胃カメラ検査に抵抗がある方でも安心して検査を受けていただけます。

大腸内視鏡検査

左または右側の腹部などに鈍痛がある場合は、大腸内視鏡検査をおすすめします。ポリープなどが発見された場合は、検査中に切除します。適切に大腸ポリープを切除することで大腸がんを予防できる可能性があります。

当院では楽に検査を受けていただくために静脈麻酔を使用した検査を行っております。ウトウトと眠った状態で検査を受けることができ、体に余分な力が入らないので、短時間で苦痛の少ない検査が可能です。

 

左下腹部に痛みがでている場合は早めの受診を

お腹の下の部分、下腹部の痛みは比較的よくある症状のために我慢してしまう人が多いです。自然と治る場合も多いですが、原因によってはそのままにしておくと生命の危険を脅かす可能性もあるためなるべく早く医療機関を受診しましょう。

腹痛がある場合には、ターミナル駅の北千住駅から徒歩2分の東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック足立区院にお越しください。

当院は消化器内科だけではなく、肛門外科、肝臓専門外来、緊急外来も行っております。

当院では胃・大腸内視鏡検査の24時間WEB予約が可能なほか、胃内視鏡検査は最短で当日、大腸内視鏡検査は翌日から受診することができます。また、胃・大腸内視鏡検査を同日中に受けることも可能です。

また、土日の診療・検査も行っておりますのでご安心してお越しください。

 

まとめ

左下腹部の痛みがでる場合の考えられる病気の種類、受診すべき医療機関について紹介しました。腹痛にもさまざまあり、痛む場所の近くの臓器が原因となっている場合や、痛む場所と原因となる臓器が離れている場合もあります。

状態によっては緊急を要する場合がありますし、ただの腹痛だと思っていたら実は大腸がんのサインであったりなど、適切な時期に適切な治療を受ける機会を逃してしまうことのないよう、自己判断はせずに専門医にしっかり相談することをおすすめします。

腹痛でお悩みの場合は、北千住駅から徒歩2分の東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック足立区院にお越しください。経験豊富な内視鏡医師が診療・検査を行うため、安心してご相談ください。

また、当院では内視鏡治療後(ポリープ切除後)の合併症に対して、関連病院で24時間365日対応してますので、安心して検査を受けていただけます。

東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック足立区院では、外来診療の予約をWEBで24時間受け付けております。院内での待ち時間削減にもつながりますので、ぜひご予約の上、お越しください。

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