肛門周囲膿瘍とは?原因や治療方法など肛門病専門医が詳しく解説

「肛門周囲にしこりがある」
「しこりを押すと痛い」
「おしりから膿が出る」

このような症状でお悩みの方は、肛門周囲膿瘍という病気の可能性があります。

肛門周囲膿瘍は、肛門まわりの皮下に膿がたまってしまう感染性の病気です。

上記の症状に加え、発熱や排便時の痛み、排便困難を伴うこともあります。

肛門周囲膿瘍が慢性化すると痔ろうへと進行し、長期的に放置するとまれにがん化するリスクもあるため、早期の受診と治療が大切です。

この記事では、肛門周囲膿瘍の症状・原因・治療法について、肛門疾患に詳しい医師がわかりやすく解説します。

東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック足立区院では、診察から治療・手術まで、お尻のトータルケアを行っています。

プライバシーに配慮した環境の中で丁寧に診療しておりますので、肛門の症状でお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。

肛門周囲膿瘍とは

肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)とは、肛門まわりの組織に膿がたまって炎症を起こしている状態です。

免疫力が低下しているときや、下痢・軟便・温水便座の長時間使用などによって細菌感染が起こり、膿がたまることで発症します。

激しい痛みや発熱が現れることもあり、悪化すると皮膚が破れて膿が出ることもあります。

ただし、自然に排出されたからといって治るわけではなく、基本的には皮膚を切開して膿を排出する「切開排膿術」が必要です。

放置すると膿がトンネル状に皮膚へ抜ける「瘻管(ろうかん)」を形成し、痔ろうに進行することがあるため、早めの受診が勧められます。

肛門周囲膿瘍の症状

肛門周囲膿瘍は、膿がたまる深さによって症状の現れ方が異なります。

皮膚に近いところに膿がたまると鋭い痛みが強く、深い場所では腰や下腹部の鈍痛として感じることもあります。

炎症の影響で、発熱や寒気、倦怠感といった全身症状を伴うこともあります。

  • 肛門まわりのしこりや腫れ、赤み
  • おしりから膿が出る
  • 38度以上の発熱
  • 排便時の強い痛み
  • 排便がうまくできない、我慢してしまう

このような症状がある場合は、なるべく早く専門医の診察を受けることが重要です。

肛門周囲膿瘍は放置しても自然には治らず、進行すれば治療が難しくなることもあります。

肛門周囲膿瘍になる原因

肛門と直腸の境目には「歯状線(しじょうせん)」と呼ばれる部分があり、その近くには「肛門陰窩(こうもんいんか)」という小さなくぼみがあります。

下痢や便に混ざった異物(魚の骨など)により傷がつくと、このくぼみに細菌が侵入して感染が起き、膿がたまります。

また、温水洗浄便座の長時間使用も原因のひとつです。必要以上に洗いすぎることで、皮膚を守る常在菌まで流してしまい、細菌感染が起こりやすくなることがあります。

さらに、以下のような状態も発症リスクを高めます。

  • ストレスや疲労がたまっている
  • 過度な飲酒や喫煙
  • 免疫力の低下(糖尿病、寝不足など)
  • クローン病や潰瘍性大腸炎などの基礎疾患

肛門周囲膿瘍になりやすい人の特徴

肛門周囲膿瘍は、男性に多く、特に30〜40代でよく見られる傾向があります。

しかし、生活習慣や体質によっては、年齢・性別を問わず発症することがあります。

次のような特徴がある方は、発症リスクが高いといえるでしょう。

  • 下痢や便秘などの排便異常がある
  • 肛門の緊張が強く、排便に時間がかかる
  • 長時間座りっぱなしの生活が多い
  • 免疫力が低下している(過労・睡眠不足・糖尿病など)

仕事などで座る時間が長い方や、ストレスが多く生活が不規則な方は特に注意が必要です。

「いつもと違う」と感じたときこそ、早めに肛門科を受診することが予防・早期治療の第一歩となります。

肛門周囲膿瘍の治療方法

肛門周囲膿瘍の治療は、症状の程度によって異なります。主に以下の2つです。

  • 飲み薬(抗菌薬)
  • 切開による排膿(切開排膿術)

初期の段階では、抗菌薬で経過観察する場合もありますが、膿がすでにたまっている場合は切開して排出する必要があります。

飲み薬

膿が少なく、痛みが軽度の場合は、抗菌薬の内服で様子を見ることがあります。

ただし、抗菌薬だけでは膿を完全に取り除くことができないため、再発や慢性化のリスクがあります。

切開

膿がたまって腫れている場合には、皮膚を切開して中の膿を出す「切開排膿術」が必要です。

この処置により、痛みの緩和や感染の拡大防止が期待できます。

局所麻酔で日帰り対応できるケースが多いため、腫れや痛みを感じたら我慢せず、早めの受診をおすすめします。

お尻の不調は肛門科で相談を

「お尻にしこりがある」「排便後に痛みが続く」「膿が出て不安」などの症状があっても、恥ずかしさから受診をためらってしまう方は少なくありません。

ですが、肛門の疾患は早期に適切な対処をすれば、症状の悪化や手術の回避にもつながります。

東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック足立区院では、肛門に特化した専門診療を行っており、肛門周囲膿瘍をはじめとしたさまざまなお尻のトラブルに対応可能です。

「お尻の症状はどこに相談していいかわからない」という方も、安心してご相談ください。

お尻の違和感・しこり・排便時の痛みなど、気になる症状がある方へ

肛門・お尻の症状にお悩みがある方へ

肛門疾患の治療法は一つじゃない

「肛門の病気=すぐに手術」と思っていませんか?

実は、肛門疾患の治療法は多岐にわたり、症状の程度や患者様の希望に合わせて選択することができます。

肛門周囲膿瘍の場合も、軽度であれば内服薬で炎症を抑えることも可能ですし、重症化する前に切開で排膿することで、長引く症状を回避できます。

また、いぼ痔や切れ痔など他の肛門疾患では、塗り薬や軟膏、注射による治療、生活習慣の改善指導がメインになることもあります。

「手術しか方法がないのでは?」と不安な方も、まずはご自身の症状に合った治療法が何かを知ることから始めてみてください。

以下では、さまざまな肛門疾患の治療法について、写真付きでわかりやすく紹介しています。

飲み薬・軟膏・注射・外科手術など、肛門疾患の多様な治療法を紹介

肛門疾患に対する治療法

肛門病専門医がいる当院のアクセス

東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック足立区院は、北千住駅西口から徒歩2分の場所にあり、アクセスも良好です。

肛門周囲膿瘍や痔ろうなどの専門的な診療が可能で、日本大腸肛門病学会認定の専門医が在籍しています。

  • 住所:〒120-0034 東京都足立区千住3-74 第2白亜ビル1階
  • 最寄駅:北千住駅(西口から徒歩2分)
  • 電話番号:03-3882-7149

ご利用いただける路線

  • JR(常磐線、上野東京ライン)
  • 東京メトロ(千代田線、日比谷線)
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  • 東武(スカイツリーライン、伊勢崎線、日光線・鬼怒川線)

お車でお越しの方は、近隣の有料駐車場をご利用ください。サービス券の配布は行っておりませんのでご了承ください。

秋葉原が近い方は、秋葉原駅から徒歩1分の「秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック 千代田区院」もご利用いただけます。

まとめ

肛門周囲膿瘍は、肛門のまわりに膿がたまる病気で、自然に治ることはほとんどありません。

進行すると痔ろうへ移行し、放置すればがん化のリスクもあるため、早期の診断と治療が大切です。

下痢や便秘を繰り返さないよう生活習慣を見直し、免疫力を保つことが予防の一助になります。

「お尻に違和感がある」「排便時に痛みがある」「膿のようなものが出てきた」などの症状がある方は、我慢せずに専門医の診察を受けてください。

東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック足立区院では、肛門病に精通した専門医が、診察から手術まで一貫してサポートいたします。

土日も診療を行っており、女性医師による肛門診療も実施しています。

※肛門科女性医師の外来は、現在 秋葉原院で行っております。

完全個室の診察室、受付での病名確認なしなど、プライバシーにも十分配慮しておりますので安心してご来院ください。

ご予約はWEB・LINE・お電話にて承っております。

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※この記事は2023年6月20日に公開され、2025年7月14日に更新されました。

施設紹介

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尚視会での内視鏡検査・診察は24時間予約を承っています。

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