大腸がんとポリープの関係は?病理検査で悪性の場合についても解説!

大腸ポリープについて次のような疑問をお持ちではありませんか?

「大腸ポリープががんになるって本当?」
「大腸ポリープにがんが見つかったらどうするの?」

大腸ポリープが大きくなると、がんになる場合もあります。そのため大腸がんを予防するためには、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けて早めにがん化するリスクのあるポリープを切除することが大切です。

この記事では、大腸がんになる可能性のあるポリープの種類や特徴について解説します。大腸がんや大腸ポリープができる原因、および大腸がんが見つかった場合の治療法についても解説しますので、参考にしてください。

1章、大腸ポリープとは

大腸ポリープは、大腸の粘膜が盛り上がり内側に突出した状態をさします。大腸ポリープは、直腸やS状結腸に見られることが多いのですが、その他の大腸の部位にも発生します。大きさは、小さいものだと数mmで、大きくなると数cm以上になることもあります。

なかでも、腺腫性ポリープはがん化のリスクがあるとされます。大腸がんになった場合も無症状のことが多いため、便潜血検査や大腸内視鏡検査などによる早期発見と治療が重要です。次に大腸ポリープの種類について解説します。

1-1、大腸ポリープの種類

大腸ポリープは腫瘍性と非腫瘍性に分類される。

それぞれについて解説します。

腫瘍性ポリープ

大腸の腫瘍性ポリープには、腺腫性ポリープと悪性腫瘍(大腸がん)が存在します。腺腫性ポリープが大腸ポリープのなかで占める割合は約80%といわれており、成長するとがん化のリスクがあります。しかし、中には腺腫性ポリープを経ずに、正常な粘膜から発生する大腸がんもあります。

非腫瘍性ポリープ

非腫瘍性ポリープには炎症性や過形成性、過誤腫性ポリープなどがあり、ほとんどがん化のリスクは低いとされています。各ポリープの特徴は、次のとおりです。

・炎症性ポリープ:病気などで腸内に炎症が起こったあとに生じる
・過形成性ポリープ:加齢などが原因で、粘膜が盛り上がってできる
・過誤腫性ポリープ:粘膜が過剰に発育してできるポリープで、若年層に見られる

非腫瘍性ポリープはがん化する可能性が低いため、手術で切除しないことが多いです。しかし、ポリープが大きくなると出血したり、腸が閉塞したりすることもあるため、手術が検討されることもあります。

1-2、大腸ポリープや大腸がんができる原因

大腸ポリープや大腸がんができる原因は次のとおりです。

・生活習慣
・遺伝
・年齢

ここでは、大腸ポリープや大腸がんの原因やできやすい人について解説します。

生活習慣

次のような生活習慣を送る人は、大腸がんになりやすいといわれています。

・加工肉の摂取
・脂肪分の摂り過ぎ
・飲酒
・喫煙

加工肉の発色剤(亜硝酸ナトリウムなど)は、発がん性があるため摂取すると大腸がんのリスクが高まるといわれています。さらに脂肪分の摂り過ぎや食物繊維の不足も大腸ポリープの原因とされているため、注意が必要です。

日本人の場合、1日15g以上のアルコール摂取で大腸がんのリスクが上昇すると報告されています。さらに喫煙は発がん性物質を含むため、大腸がんのリスクを上昇させます。大腸がんのリスクを抑えるためには、以上の生活習慣を避けた方がよいでしょう。

遺伝

遺伝が原因となる家族性大腸腺腫症(FAP)やリンチ症候群では大腸ポリープや大腸がんができる。

遺伝性大腸がんがすべての大腸がんのなかで占める割合は、約5%といわれています。

家族性大腸腺腫症は、結腸や直腸を覆うように100個以上の大腸ポリープが生じる病気です。治療を行わないと、ほぼ全例で40歳までにがんが生じるといわれています。

リンチ症候群とは、遺伝的に一般の人よりも大腸がんや子宮内膜がんなどのさまざまながんにかかりやすい状態です。両親のいずれかがリンチ症候群の場合、子どもに遺伝する確率が50%といわれています。

年齢

大腸がんおよび大腸ポリープは、40歳代から増え始め年齢を重ねるにつれて発症のリスクも上昇する。

そのため、市区町村などの各自治体では40歳以上の方に対して便潜血検査が実施されています。しかし初期の大腸がんの場合、出血がないこともあるため、便潜血検査では見過ごされることもあり、注意が必要です。

そのため、40代には便潜血検査だけではなく大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。40代で大腸内視鏡検査を受けるべき理由については、次の記事で詳しく解説しています。

なぜ40代で大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受ける必要があるの?

当クリニックでは、下記より大腸内視鏡検査の予約が可能です。

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2章、大腸ポリープと大腸がんの関係

大腸ポリープのなかでも腺腫性のものは、大腸がんになるといわれています。ここでは、大腸ポリープと大腸がんの関係について詳しく解説します。

2-1、大腸ポリープが大きくなるほどがんの可能性が高い

大腸ポリープが大きくなるほど、がん化する傾向にある。

直径が5mm以上の腺腫のなかには、一部がん化したものが含まれる場合があります。さらに、腺腫が1cmや2cmと大きくなるに従いがんになる確率も増加していくのです。

2-2、ポリープの大きさとがんの確率

ポリープの大きさとがんの確率をまとめると次のとおりです。

・5mm未満:1%前後
・5mm以上10mm未満:数%
・10mm以上20mm未満:10%前後
・20mm以上:20~30%以上

大腸ポリープが2cm以上になると、がんの可能性が一気に高くなります。つまり大腸がんを予防するためには、腺腫性の大腸ポリープを小さなうちに切除することが大切です。

2-3、大腸ポリープや大腸がんの検査方法

大腸ポリープや大腸がんの主な検査方法は、便潜血検査と大腸内視鏡検査(大腸カメラ)です。それぞれの検査方法について解説します。

便潜血検査

便潜血検査は、大便に含まれる血液の有無をチェックして、大腸の異常を調べる検査方法です。ポリープから出血していれば、自覚症状のない段階でポリープを見つけられることもあります。

簡便で受けやすい検査ですが、より確実に大腸のポリープやがんを発見したい場合は、大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。

少なくとも、便潜血検査で陽性と判定された場合は、大腸内視鏡検査を受けることが大切です。便潜血検査については、次の記事を参考にしてください。

便潜血検査が陽性の場合にはどうすれば?専門医が解説

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査は、カメラのついた管を肛門から挿入して、モニターで大腸の粘膜を直接確認する検査方法です。ポリープの大きさや色、表面の構造などがより詳細にわかります。そのため、がん化するリスクのあるポリープを早めに発見して、取り除くことができます。がんが疑われる場合は、組織を採取し、それを顕微鏡で観察(生検)することもあります。

現在の大腸内視鏡検査は麻酔を使用するなどして、痛みを感じることなく受けられるようになりました。大腸内視鏡検査について詳しくは、次のページをご覧ください。

無痛大腸内視鏡検査について内視鏡専門医が解説

大腸内視鏡検査については、「マンガでわかる!大腸内視鏡検査」でも詳しく解説していますので、ぜひご参考にしてください。

3章、大腸ポリープの病理検査で悪性の場合

採取した大腸ポリープについては、生検と呼ばれる病理検査を行い、がんであるかどうかの確定診断が下されます。ここでは、病理検査の概要とがんが発見された場合の治療法について解説します。

3-1、病理検査とは

病理検査とは体から採取された組織の一部や細胞を観察して、どのような病気であるかを診断する検査です。大腸がんの確定診断をする場合も、組織を顕微鏡で観察して、診断が下されます。

さらに大腸がんの生検を行う場合は、次の点も確認します。

・がんがすべて取り除かれているか
・がんがどれくらいの深さまで進行しているか
・がんが静脈やリンパに達していないか
・がんの種類や性質はどのようなものか

以上を確認して、それをもとに大腸がんの治療法が検討されます。

3-2、がんの進行に応じて治療法が検討される

大腸がんが発見された場合は、がんの進行に応じて治療法が検討されます。大腸の壁は、内側から粘膜、粘膜下層、筋肉層、漿膜という構造になっています。粘膜が大腸の内側にあたり、漿膜は外側です。

がんが大腸の粘膜内に留まっていれば、リンパ節へと広がっている可能性は低いため、内視鏡による切除で治療が完了します。しかし、がんが粘膜下層に達している場合は、リンパ節へと転移している可能性があります。そのため、開腹手術や腹腔鏡手術などの外科手術が検討される場合もあります。

まとめ

今回は大腸ポリープと大腸がんの関係についてお伝えしました。本記事のポイントは次のとおりです。

・大腸ポリープのなかでも腺腫性ポリープは、がん化する可能性がある
・腺腫性ポリープが大きくなるほど、がん化する可能性がある
・2cm以上の大きさになるとがんの可能性が60%以上になるという報告もある
・大腸がんを予防するためには、大腸ポリープを小さいうちに切除することが大切
・大腸内視鏡検査を受けると、がん化するリスクのある大腸ポリープを早めに切除できる

大腸がんは40代以降から増加する傾向にあるため、40歳を超えたら、一度は大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。

当クリニックでは、24時間WEBにて大腸内視鏡検査の予約が可能です。下記よりお進み下さい。

電話での予約は下記より承っております。

日本消化器病学会ガイドライン;大腸ポリープ診療ガイドライン2020
Winawer SJ, et al. Randomized comparison of surveillance intervals after colonoscopic removal of newly diagnosed adenomatous polyps. The National Polyp study Workgroup. N Engl J Med 1993; 328: 901-6.
Ann G Zauber, et al. Colonoscopic polypectomy and long-term prevention of colorectal-cancer deaths. N Engl J Med 2012; 366: 687-96.

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