
「ポリープ」という言葉は、健康診断や内視鏡検査の場面でよく耳にします。しかし、実際に「胃にポリープが見つかりました」と言われると、誰もが少し不安になるものです。
- 「これはがんなの?」
- 「また他のところにもできてしまうの?」
- 「治療しないと危ないの?」
そんな疑問や不安を少しでも解消するために、今回は専門医による会話と解説を交えながら「胃ポリープ」の正体を掘り下げます。特に「ピロリ菌」との関係性はとても重要ですので、ピロリ菌と胃ポリープの関係についても解説します。
目次
現役医師が語る「胃ポリープと胃がんの関係」
今回ご紹介する動画では、胃のポリープの種類やピロリ菌との関係について、現役の医師が実際の臨床経験を交えて解説しています。記事ではその内容をさらにわかりやすく整理し、読者のみなさんが安心できる情報としてお届けします。
専門医対談で知る「胃ポリープとピロリ菌」
今回の対談は、過去に他院で内視鏡検査を受けたみきさんと、末廣先生・岩城先生のお話です。 胃ポリープやピロリ菌について、実体験にもとづく疑問に専門医がお答えします。

内視鏡検査をやった時に胃の中にポリープがあったみたいなんです。その場で組織を取っていただいたんですが…ポリープって一度できると、その後もできやすくなるんですか?
なかなか難しい質問ですね。

そうですね。実は胃のポリープにはいくつか種類があります。中には癌化するリスクのあるものもあります。その背景に大きく関わるのが“ピロリ菌”なんです。
ピロリ菌は子どもの頃に感染して、そのまま胃に住み着きます。慢性的な炎症を起こし続けることで、やがて胃がんにつながることもあるんです。
その炎症の影響で大きくなるタイプのポリープは、癌化リスクが高いとされています。一方で、ピロリ菌がいない方にできる“胃底腺ポリープ”という種類もあり、こちらは癌化の心配がありません。昔は“幸せポリープ”とも呼ばれていたんですよ。

実際、若い方に見つかるポリープのほとんどはこの胃底腺ポリープです。今はピロリ菌感染者が減っているので、こうしたポリープの割合が非常に多くなっています。

昔は胃潰瘍や胃がんの患者さんが本当に多かったんですが、今はずいぶん減りましたね。研修医の頃は吐血で救急搬送される患者さんもよくいましたが、最近はそういう場面もかなり少なくなりました。


それは治療が進んだからですか?
はい、それもありますし、薬が良くなったのも大きいですね。

日本でピロリ菌の除菌治療が保険適用になったのは2013年からです。それ以前は自費診療での治療が多く、なかなかハードルが高かったんです。ですが、保険で受けられるようになってから一気に広まり、胃潰瘍や胃がんの発生率も下がってきました。


胃カメラを受ければピロリ菌の検査や治療もできるんですか?
はい。まずは胃カメラです。内視鏡で胃の状態を見れば、ある程度“ピロリ菌がいそうか”は予測できます。もちろん確定診断には血液検査なども必要ですが、その流れでピロリ菌検査を追加するかどうかを判断します。


ピロリ菌って、大腸菌みたいに元々体にいる菌じゃないんですよね?
そうです。違います。主に家族内での感染や、昔は井戸水などを介した感染が多かったんです。今は除菌が普及したことで親から子への感染も減って、全体の感染率も大きく下がっています。昔“胃がん家系”と言われた家庭も、その多くはピロリ菌による家族内感染が影響していたんです。

このように、専門医の対談からも、胃ポリープとピロリ菌の関係が重要であることが理解できます。
(左)岩城先生 (右)末廣先生 対談の様子
ポリープとは?基本の定義をおさらい
ポリープを簡単に説明すると、「粘膜にできる良性のイボ状のふくらみ」です。ここで重要なのが「良性」と「悪性」の違いです。
- 良性 → ポリープ
- 悪性 → がん
つまり「同じイボ状のふくらみ」でも、その性質によって全く意味合いが変わってきます。
ポリープの代表例
- 胃底腺ポリープ:ピロリ菌がいないきれいな胃にできる。がん化の心配なし。
- 炎症性ポリープ:慢性胃炎などの炎症を背景に出現。大きくなることも。
- 腺腫:一部はがん化の可能性があるため注意が必要。
ポリープ=悪いもの?その誤解を解く
「ポリープ」と聞くと、がんに近い存在だと感じる方も多いですが、実際には良性が圧倒的に多いのです。
特に「胃底腺ポリープ」は、かつて「幸せポリープ」と呼ばれていました。これは「がん化のリスクがなく、安心して良い」という意味が込められています。
👉 ポリープが見つかった=即ち悪いこと、ではありません。
ピロリ菌とは?胃の環境を左右する小さな細菌
基本情報
- 正式名称:ヘリコバクター・ピロリ
- 感染場所:胃の粘膜
- 感染経路:家族内感染が主流(昔は井戸水・川の水も)
ピロリ菌がもたらす影響
- 胃の粘膜に慢性的な炎症を起こす
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因になる
- 胃がんの大きなリスク因子
データで見るピロリ菌
- 日本の胃がん患者の約90%がピロリ菌感染者
- 感染率は年齢が高い世代ほど多い
- 若い世代では衛生環境の改善・除菌治療の普及により大幅に減少
保険適用で変わった除菌治療
2013年2月、日本でピロリ菌除菌治療が保険適用になりました。それ以前は自費(全額自己負担)の場合が多く、治療を受ける人は限られていました。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者数が大幅に減少
- 胃がんの発生率も低下
- 医療費全体の抑制にもつながる
まさに医療界にとって大きな分岐点だったのです。
内視鏡検査の役割と大切さ
ポリープやピロリ菌の有無を確認するには、胃カメラ(内視鏡検査)が最も有効です。
胃カメラでわかること
- ポリープの有無と種類
- ピロリ菌感染が疑われる胃の状態
- 胃炎や潰瘍の程度
さらに必要に応じて組織を採取し、病理検査で「良性か悪性か」を詳しく調べることができます。
👉 「ただの検査」ではなく「将来のがんを防ぐ一歩」といえるのです。
家族に広がる感染リスク ― 家族内感染の実態
かつて「胃がん家系」と呼ばれる家庭がありました。しかしその多くは「遺伝」ではなく「ピロリ菌の家族内感染」が影響していたのです。
- 食器の共有
- 親から子への口移し
- 生活環境の影響
これらを通じて感染が広がっていました。しかし今では除菌治療が普及し、世代を超えた感染も大きく減っています。
ポリープが見つかったらどうする?
- 大きさ・種類を確認
→ 良性か、癌化リスクがあるかを判定 - 切除が必要かどうか判断
→ 小さな胃底腺ポリープなら経過観察でOK/腺腫などは切除が推奨される - ピロリ菌の有無を調べる
→ 感染があれば除菌治療へ

専門医が語る現場の変化
- 「研修医の頃は、胃潰瘍で吐血して救急搬送される患者さんをよく診ました」
- 「今は本当に減りました。医療の進歩と除菌治療の普及のおかげです」
医師の実感としても、ピロリ菌除菌の効果は絶大です。
まとめ:ポリープ=怖い、ではなく「知ること」が第一歩
- ポリープは基本的に良性が多い
- ピロリ菌があると悪性化のリスクが高まる
- 除菌治療により胃がん患者数は減少している
- 定期的な内視鏡検査が最大の予防策
「ポリープ」と聞いて不安になる必要はありません。大切なのは正しく知り、適切に対処すること。内視鏡検査とピロリ菌検査を組み合わせることで、胃がんを未然に防ぐことは十分可能です。未来には「胃がんがなくなる日」が訪れるかもしれません。そのために、まずはあなた自身の胃の状態を知ることから始めてみませんか?
まずは現状チェックから。不安な方は、無理のない範囲で内視鏡検査やピロリ菌検査をご検討ください。
各クリニックで内視鏡検査のご予約が可能です。
ご希望の院をお選びください。
📞 電話予約については、各院共通で
内視鏡検査専用ダイヤル 03-5284-8230 へご連絡ください。
参考動画:YouTube「胃ポリープとピロリ菌」
施設紹介
東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 足立区院 >>
ホームページ https://www.senju-ge.jp/
電話番号 03-3882-7149
住所 東京都足立区千住3-74 第2白亜ビル1階
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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9:00~12:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
14:00~17:30 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ※ |
※予約検査のみ
※祝日のみ休診
JR北千住駅西口より徒歩2分、つくばエクスプレス北千住駅より徒歩2分、東京メトロ日比谷線北千住駅より徒歩2分、東京メトロ千代田線北千住駅より徒歩2分、東武伊勢崎線北千住駅より徒歩3分
施設紹介
秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック 千代田区院 >>
ホームページ https://www.akihabara-naishikyo.com/
電話番号 03-5284-8230
住所 東京都千代田区神田佐久間町1-13 チョムチョム秋葉原ビル9階
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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9:00~12:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
14:00~17:30 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ※ |
※予約検査のみ
※祝日のみ休診
JR秋葉原駅より徒歩1分、東京メトロ日比谷線秋葉原駅より徒歩1分、つくばエクスプレス秋葉原駅より徒歩1分
施設紹介
東京千住・尚視会健診プラザ
ホームページ https://www.shoushikai-kenshin.com/kenshin/
電話番号 03-3881-2470 (健診・人間ドックのご予約はこちらより承っております)
住所 東京都足立区千住3-72 白亜ビル4階
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※受付時間:午前 8:30〜11:30/午後 12:30〜15:30
JR北千住駅西口より徒歩2分、つくばエクスプレス北千住駅より徒歩2分、東京メトロ日比谷線北千住駅より徒歩2分、東京メトロ千代田線北千住駅より徒歩2分、東武伊勢崎線北千住駅より徒歩3分
施設紹介
東京千住・尚視会クリニック
ホームページ https://www.shoushikai-kenshin.com/clinic/
電話番号 03-5284-8230
住所 東京都足立区千住3-72 白亜ビル5階
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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9:00~12:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
14:00~17:30 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
JR北千住駅西口より徒歩2分、つくばエクスプレス北千住駅より徒歩2分、東京メトロ日比谷線北千住駅より徒歩2分、東京メトロ千代田線北千住駅より徒歩2分、東武伊勢崎線北千住駅より徒歩3分