胃内視鏡検査(胃カメラ)の費用はいくらかかるの?

内視鏡検査を受ける際、費用がどれくらいかかるのか事前に把握しておくことは、安心して検査を受けるうえでとても大切です。本記事では、胃内視鏡検査(胃カメラ)の費用について、保険診療をベースに詳しく解説します。

1章:胃カメラ(胃内視鏡検査)の費用とは?

胃内視鏡検査の自己負担額は、おおよそ2,000円~10,000円程度(保険の負担割合により異なります)。

※保険診療での検査費用は全国共通ですが、使用する薬剤や検査内容により若干異なることがあります。

2022年度の診療報酬では大きな改定はなく、2025年現在でも胃カメラの基本費用は以下の通りです。

項目点数費用(10割)自己負担(3割)
胃内視鏡検査1,140点11,400円3,420円
胃バリウム検査(参考)1,123点11,230円3,370円

1-1:診察料について

診察を受ける際には初診料または再診料がかかります。

内容点数費用(10割)自己負担(3割)
初診料288点2,880円860円
再診料73点730円220円
採血料(422〜811点)例:700点7,000円2,100円

※200床以上の病院で紹介状なしの場合は別途5,000円かかることがあります(当院は対象外)。

1-2:薬剤費

胃内を見やすくするために薬剤(プロナーゼ、ガスコンなど)を使用します。薬剤費はおおよそ140円(3割負担で40円)です。

1-3:静脈麻酔(鎮静剤)を使った無痛内視鏡検査

鎮静剤を使用すると、ウトウトした状態で苦痛を和らげながら検査が受けられます。費用は60~540円程度(3割負担で20~160円)と比較的安価です。

1-4:狭帯域光強調加算(NBI/FICE等)

最新内視鏡での特殊光による画像強調を用いると、より精密な検査が可能です。

内容点数費用(10割)自己負担(3割)
NBI/FICE等加算200点2,000円600円

1-5:粘膜点墨法加算(インジゴカルミン/ルゴール)

青色染色で病変を浮かび上がらせる方法です。

使用染色剤点数費用(10割)自己負担(3割)
インジゴカルミン60点600円180円
ルゴール液60点600円180円

1-6:内視鏡生検+病理組織検査

疑わしい病変を採取し顕微鏡で病理診断を行う検査です。

内容合計点数費用(10割)自己負担(3割)
内視鏡生検+病理検査1,320点13,200円3,960円

2章:自己負担別の費用シミュレーション

2-1:採血無し・静脈麻酔あり

内容点数費用(10割)1割2割3割
生検なし1,859点18,590円1,859円3,718円5,577円
生検あり3,179点31,790円3,179円6,358円9,537円

2-2:採血有・静脈麻酔あり

内容点数費用(10割)1割2割3割
生検なし2,670点26,700円2,670円5,340円8,010円
生検あり3,990点39,900円3,990円7,980円11,970円

※薬の処方、ピロリ菌検査などは別料金が発生する場合があります。

3章:消化管ドックの場合

項目金額(税込)内容
胃内視鏡ドック25,000円診察料・薬剤・静脈麻酔含む(生検費用別)

4章:保険診療と自費診療の違いについて

胃内視鏡検査(胃カメラ)を受ける際、「保険診療」と「自費診療(ドック)」のいずれで受けるかによって、費用やサービス内容に違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、目的に応じた適切な受診方法を選ぶことができます。

4-1:保険診療とは?

保険診療とは、健康保険が適用される医療サービスのことを指します。医師の判断によって「必要な検査・治療」として行われた場合、国が定めた診療報酬点数に基づき、費用の一部(1~3割)を自己負担する形になります。胃カメラの場合も、症状がある・医師が必要と判断した場合には保険診療の対象となります。

  • 自己負担率:1割・2割・3割(年齢や収入により異なる)
  • 費用相場:2,000円~10,000円前後
  • 検査内容:基本検査+必要に応じて生検・病理検査など
  • 対象:胃痛・胸やけ・便潜血などの症状がある方、要精密検査など

4-2:自費診療(人間ドック)とは?

一方、自費診療は健康保険が適用されない医療サービスであり、全額自己負担となります。人間ドックなどが代表的です。健康維持や病気の早期発見を目的に、希望者自身が任意で受ける検査で、医師の診断がなくても受けることができます。

  • 自己負担率:全額自己負担(10割)
  • 費用相場:当院では25,000円(税込)
  • 検査内容:基本検査+静脈麻酔+診察+画像診断などセット形式
  • 対象:健康意識が高い方、定期的な健康チェックを希望される方

4-3:比較表でわかる違い

項目保険診療自費診療(ドック)
自己負担割合1~3割10割
費用目安2,000~10,000円25,000円(税込)
対象者症状がある方・医師の指示がある方誰でも受けられる(任意)
検査内容必要最小限+症状に応じた加算診察・鎮静・画像診断などパッケージ
メリット経済的負担が軽い自由度が高く、詳細な検査が可能
デメリット症状がないと受けられない場合がある費用が高額になりやすい

このように、保険診療と自費診療にはそれぞれ特徴があり、ご自身の体調や目的、予算に応じて選択することが大切です。とくに定期的に胃の状態をチェックしたい方や症状がなくても精密な検査を希望する方には、自費ドックが適しているケースもあります。

5章:静脈麻酔あり・なしの違いと費用面の比較

胃カメラを受けるにあたって「静脈麻酔(鎮静剤)を使うかどうか」は、費用だけでなく検査中の快適さにも関わる重要な選択です。ここでは、それぞれの特徴や費用の違い、どちらを選ぶべきかのポイントを整理します。

5-1:静脈麻酔(鎮静剤)ありのメリット・デメリット

静脈麻酔を使用することで、検査中の苦痛や咽頭反射を最小限に抑えることができます。ウトウトとした状態で検査が終了し、患者さんのストレスを軽減できるのが大きな魅力です。

  • 検査中の苦痛を感じにくい
  • 記憶に残りにくいため、精神的負担が軽減
  • 検査時間が短く感じる

ただし、鎮静剤を使用するため検査後しばらく休む必要があり、当日の運転はできません。また、まれに体質によって合わない方もいます。

  • 回復までに時間がかかる
  • 当日の車の運転不可
  • アレルギー体質の方は事前に相談が必要

5-2:静脈麻酔なしのメリット・デメリット

静脈麻酔を使用しない場合、検査後すぐに動けるため、仕事や予定が詰まっている方にとっては時間効率の面でメリットがあります。

  • 検査後すぐに帰宅・外出が可能
  • 運転・仕事の制限がない
  • 追加費用が少ない

一方で、経口挿入の場合は強い咽頭反射があり、苦痛を感じる可能性が高いため、抵抗感の強い方には不向きです。経鼻挿入であっても、個人差により違和感を覚えることがあります。

  • 嘔吐反射・不快感が強く出やすい
  • 検査そのものへの恐怖が高まりやすい

5-3:費用面での比較

静脈麻酔にかかる費用は、保険診療の場合おおよそ60円~540円(6~54点)です。3割負担の場合には20円~160円程度と非常に低コストです。

費用面で大きな差はないため、苦痛の軽減という点では静脈麻酔ありの検査を選択されることを強くおすすめします。ただし、体質・アレルギー・当日の予定などを総合的に考慮し、医師と相談の上で決定するのがよいでしょう。

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6章:胃カメラ費用に関するよくある質問(FAQ)

6-1:保険証を忘れた場合はどうなりますか?

保険証を持参し忘れた場合、原則として自費(10割負担)での仮払い対応となります。後日、保険証を提示していただければ、差額分が返金される医療機関もありますが、対応は施設によって異なるため事前にご確認ください。

6-2:検査当日に追加料金が発生することはありますか?

あります。検査中にポリープや異常が見つかり、生検(組織を一部採取して調べる)を行った場合、追加で病理検査費用がかかります。また、鎮静剤や画像強調機能を使用した場合も加算されることがあります。

6-3:生検は必ず行われますか?

生検は「必要と判断された場合」にのみ行います。すべての方に実施されるわけではなく、内視鏡医が粘膜の状態を見て、病変の疑いがあれば採取するという流れになります。事前に医師と相談しておくと安心です。

6-4:薬剤費用はどのくらいかかりますか?

胃内視鏡検査時に使用する薬剤は、粘液を溶かす薬や消泡剤(プロナーゼ、ガスコンなど)があり、おおよそ100~200円(自己負担では30~60円)程度です。これに静脈麻酔の費用が追加される場合もあります。

6-5:検査前に食事制限はありますか?

あります。通常、検査前日の夜以降の飲食制限(絶食)が必要です。当日の朝も食事は控えていただき、飲水も制限があります。これを守らないと、胃の中が見えづらくなり、正確な検査ができない可能性があります。

6-6:鎮静剤を使った場合、どのくらい休めばよいですか?

個人差はありますが、おおむね30分〜1時間程度ベッドで休んでいただきます。完全に目が覚めたことを確認し、安全に帰宅できる状態になってからの退室となります。

6-7:ピロリ菌の検査も一緒にできますか?

はい、できます。内視鏡中にピロリ菌検査を同時に行うことが可能です。検査法としては、生検による培養法や迅速ウレアーゼ試験、あるいは尿素呼気試験などがあり、いずれも追加費用がかかります。

まとめ

  • 保険診療での胃カメラ費用はおおよそ2,000~10,000円(自己負担率による)
  • 検査内容によって鎮静剤・特殊技術・病理検査等の加算がかかることがある
  • 静脈麻酔を使用すると苦痛が少なく検査を受けられるが、当日の運転は不可
  • 人間ドック(自費)の場合はクリニックごとに費用が異なる。パッケージ化されていて明朗会計
  • 追加の検査(生検・ピロリ菌検査など)には別途費用が発生する可能性がある

胃カメラは「つらい」「高そう」といったイメージを持たれがちですが、近年では検査精度も上がり、麻酔の使用で楽に受けられるようになっています。また、保険適用であれば費用負担も比較的少なく、症状がある場合や医師の指示がある場合には積極的に受けておくべき検査です。

不安を抱えたままでは検査を受ける気持ちになりにくいものです。本記事が、胃カメラ検査を安心して受けていただくきっかけになれば幸いです。

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※この記事は2022年5月4日に公開された内容を、2025年4月21日に最新の情報に基づき加筆・修正しました。

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