【大腸ポリープで血便になる理由】便の色や他の症状も合わせて解説

内視鏡

「血便が出たからネットで調べてみたら"大腸ポリープ"と書かれていた」
「なぜ大腸ポリープだと血便が出るの?」
「大腸ポリープの血便ってどんな色?」

本記事では、大腸ポリープ自体やその出血についての疑問に答えていきます。また出血した場合に必要な検査である大腸内視鏡検査(大腸カメラ)や大腸ポリープ切除についても解説したいと思います。

あなた自身、または家族や友達など、周りに大腸ポリープの診断を受けた方がいる場合はぜひ本記事を読み、理解を深めていただけたらと思います。

1章、血便の原因は大腸ポリープかも?

もし血便が出た場合、原因の一つとして大腸ポリープによるものが考えられます。そもそも大腸ポリープとはどのようなものかをご存知でしょうか。

大腸ポリープとは、大腸の粘膜がイボのように盛り上がってできたもののことです。大腸ポリープが形成される原因ははっきりしていませんが、主に遺伝の異常や生活習慣(喫煙・アルコール・赤肉・運動不足など)・病気(糖尿病・高脂血症など)が原因と言われています。

大腸ポリープを放置すると徐々に大きくなっていき、悪性だと大腸がんへ発展してしまうこともあります。大腸ポリープそのものが問題というよりは、大腸ポリープが後にがん化することで体の中で増殖してしまう恐れがあるため注意が必要です。

1-1、大腸ポリープの出血の原因

大腸ポリープの血便の原因としては、便塊による擦れや抗血栓薬による出血傾向などがあります。また、がん化をするとポリープの表面が崩れやすくなるため出血しやすくなります。

大腸ポリープが大きくなると出血しやすい。

大腸ポリープが大きくなると出血しやすくなります。なぜなら、便が大腸の中を通るときに大きくなったポリープと擦れて、ポリープの表面を傷つけることがあるからです。

ポリープが大きいほど出血のリスクは高まります。また、普段から便が硬くて排便時に苦労する方や、血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を飲んでいる方も、出血するリスクが高いです。

抗血栓薬とは

抗血栓薬には、抗血小板薬と抗凝固薬の2種類があります。具体的には下記のような薬になります。

抗血小板薬

・アスピリン(バイアスピリン®)
・クロピドグレル(プラビックス®)
・プラスグレル(エフィエント®)
・チカグレル(ブリリンタ®)

抗凝固薬

ワルファリンカリウム(ワーファリン®)
ダビガトラン(プラザキサ®)
リバーロキサバン(イグザレルト®)
エドキサバン(リクシアナ®)
アピキサバン(エリキュース®)

抗血小板薬・抗凝固薬ともに大腸ポリープからの出血のリスクを高めると考えられます。

1-2、大腸ポリープの血便の色

上記のようなことが原因で大腸ポリープから出血した場合、便と血が混じって血便になることがあります。

大腸ポリープが原因で血便が出るとき、便の色は暗めの赤色~鮮やかな赤色です。排便後に便器の中を見ると、水が赤くなっていてびっくりすることもあるでしょう。

便の色が鮮やかな赤色であるほど肛門に近い方から出血していて、暗い赤色であるほど胃に近い方から出血していると判断できます。なぜなら、胃酸に反応した血液は黒色に変化するからです。出血部位が胃に近いほど胃酸に多く触れやすいため、どこから出血しているのかなんとなく予想できます。

血便に関しては、「なぜ血便がでたら大腸がんを疑わなければならないのか? | 専門医が解説」でも詳しく解説していますので、ぜひご参考にしてください。

1-3、大腸ポリープの血便の頻度

そもそも大腸ポリープで血便が出ることはそれほど多くない。

便に擦れて傷つくほどポリープが大きくなると、血便が出始めます。血便が出る頻度には個人差がありますが、出血が多い場合や鮮やかな赤色の血が肛門から垂れてくるような状態(下血)であれば、できるだけ早く消化器内科を受診したほうが良いでしょう。

2章、大腸ポリープの血便以外の症状

血便以外の大腸ポリープの症状には何があるでしょうか。次から詳しく解説していきます。

2-1、初期症状はほとんどない

大腸ポリープの初期段階では、ほとんど症状はない。

大腸ポリープが小さい場合には、腸管などに影響を及ぼすことがないからです。時間経過とともにポリープが大きくなっていくと、症状が出始めます。

よって、初期段階で大腸ポリープに気づいて病院を受診する方は少ないです。健康診断などの定期検診で大腸カメラをした時にたまたま発見されるか、なんらかの症状が出て病院を受診したときに発見されるパターンが多いでしょう。

便潜血検査などの大腸がん検診で陽性となり大腸カメラを受けることで発見されることもあります。

大腸がん検診に関しては、「大腸がん検診では何をするの?費用はいくら?専門医が解説します」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

2-2、進行すると症状がある

大腸ポリープが進行して大きくなると症状を自覚するようになります。

例えば次のような症状が出てきます。

・血便
・下痢
・腹痛
・腹部の緊張
・便が出にくい

上記の症状は、ポリープが大腸内で隆起し、便の通過を妨げることによって起きることが多いです。また、頻度としては少ないですが、大腸ポリープが進行するとまれに腸閉塞を引き起こすことがあります。

腸閉塞とは、その名の通り、腸を塞いで便の通り道が閉ざされた状態で、別名イレウスといいます。大腸が塞がるほどポリープが大きくなってしまうのが原因です。もし腸閉塞を引き起こした場合、腸が塞がっているためオナラや便が出ることはなく、吐き気や腹痛などの症状に襲われるでしょう。

大腸ポリープの症状については、「大腸ポリープに症状ってあるの?専門医が詳細に解説します!」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

3章、大腸ポリープの検査

もし大腸ポリープが疑わしい場合、検査はどのようにすれば良いのでしょうか。

・どこで検査すればいいのか?
・どんな検査をするのか?
・費用はどれくらいかかるのか?

大腸ポリープの検査について、上記のことを中心に解説していきます。続きをご参照ください。

3-1、大腸ポリープの検査はどこでできるのか?

多くの場合「消化器内科」「胃腸科」や「内視鏡クリニック」にて行います。通院できる範囲にこういった病院がなければ、ひとまず一般内科、消化器外科、肛門科などでも構いません。消化器系の診察をしている病院へ足を運びましょう。

病院の他にも、地域によっては健診センターで検査を実施している可能性があります。ホームページを参照したり、電話で問い合わせたりすると良いでしょう。

当院では、24時間WEB予約や内視鏡専用ダイヤルにて検査の予約が可能です。ぜひご活用ください。

電話での予約は下記より承っております。

3-2、大腸ポリープの検査は「大腸内視鏡検査」

大腸ポリープの検査は「大腸内視鏡検査」で行います。大腸内視鏡検査とは、通常大腸カメラと呼ばれます。

検査用のベッドの上で横になった状態で肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内部を観察して検査する方法です。

もし検査した時に大腸ポリープが発見されたら、その場で切除することができます。検査しながら一緒に治療もできて、一石二鳥です。また、切除した組織を病理検査に提出して確定診断をすることもできます。

大腸ポリープを切除すると聞くと「痛そう・・」と思うかもしれませんが、大腸ポリープ切除による痛みは無いに等しいです。大腸の粘膜には痛覚がないため、痛みを感じない仕組みになっています。また、どうしても痛みが心配な方は、鎮静剤を使いながら検査する方法もあるため、気軽に医師に相談してください。

当クリニックでは、日帰り大腸ポリープ切除に対応しています。日帰り大腸ポリープ切除については、「日帰り大腸ポリープ切除(大腸ポリペクトミー)について専門医が解説」の記事をぜひご参考にしてください。

3-3、大腸ポリープの検査の費用は?

大腸ポリープの検査は、上記で説明した通り「大腸内視鏡検査」を行います。当院で大腸内視鏡検査を行う場合の費用について、分かりやすく表にまとめたものを下記に記載しています。ご参照ください。

保険診療1割負担3割負担
大腸カメラ約2,000円約5,500円
大腸ポリープ切除7,000~9,000円20,000~30,000円

上記はあくまでおよその料金です。使用した薬や生検の有無によって金額は変わります。ご了承ください。

大腸内視鏡検査の費用については、「大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の費用はいくらかかるの?」で詳しく解説していますので、ぜひご参考にしてください。

大腸ポリープ切除の費用については、「内視鏡的大腸ポリープ切除術(大腸ポリペクトミー)の費用は?」で詳しく解説していますので、ぜひご参考にしてください。

まとめ

今回は、大腸ポリープの症状である血便について解説しました。大腸ポリープにおける血便に関しては以下のようなことが重要なポイントとなります。

・大腸ポリープが大きくなると出血しやすくなる
・抗血栓薬は大腸ポリープからの出血のリスクを高める
・大腸ポリープからの出血は便と血が混じって血便となることがある
・大腸ポリープを疑う場合は大腸内視鏡検査を受ける
・大腸ポリープを認めれば切除を行う

本記事を読むことで、以上のポイントを理解していただき大腸ポリープに関して理解を深めていただければと思います。

当院では24時間WEBにて大腸カメラの予約を承っています。下記より予約が可能です。

電話での予約は下記より承っております。

施設紹介

東京千住・胃と大腸の消化器内視鏡クリニック 足立区院 >>

ホームページ https://www.senju-ge.jp/

電話番号 03-3882-7149

住所 東京都足立区千住3-74 第2白亜ビル1階

診療時間
9:00~12:00
14:00~17:30

※予約検査のみ
※祝日のみ休診

アクセス

JR北千住駅西口より徒歩2分、つくばエクスプレス北千住駅より徒歩2分、東京メトロ日比谷線北千住駅より徒歩2分、東京メトロ千代田線北千住駅より徒歩2分、東武伊勢崎線北千住駅より徒歩3分

施設紹介

秋葉原・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック 千代田区院 >>

ホームページ https://www.akihabara-naishikyo.com/

電話番号 03-5284-8230

住所 東京都千代田区神田佐久間町1-13 チョムチョム秋葉原ビル9階

診療時間
9:00~12:00
14:00~17:30

※予約検査のみ
※祝日のみ休診

アクセス

JR秋葉原駅より徒歩1分、東京メトロ日比谷線秋葉原駅より徒歩1分、つくばエクスプレス秋葉原駅より徒歩1分

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医療法人社団 哲仁会 井口病院 >>

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尚視会での内視鏡検査・診察は24時間予約を承っています。

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