胃痛とストレスの関係とは?痛みが出る理由と正しい対処法について

今回は「胃痛とストレスの関係」をテーマに、なぜ胃痛が起きるのか、危険性の高い胃痛とはどのようなものか、胃痛で代表的な病気について紹介していきます。

・胃がもたれる
・みぞおちの辺りが痛む
・胸やけがある

ほとんどの方は一時的でも、慢性的にでも上のような胃の痛みを感じた経験があるかと思います。なぜストレスを感じると胃痛が起こるのか、人体のメカニズムとも合わせて知る機会にしましょう。

1章、ストレスは自律神経を刺激してしまう

現代人は仕事や家事、人間関係など日常生活の色々な場面でストレスを抱えています。実は、スマホやパソコンの操作、過度な運動、疲労などもストレスの原因です。

では、なぜストレスを感じると胃痛が起きるのでしょうか?

そこには人間の自律神経が関係していると言われています。自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類から成り立っています。緊張を感じると交感神経、リラックスしていると副交感神経が活性化するようにできています。

・交感神経 ― 緊張した状態
・副交感神経 ― リラックスした状態

自律神経は胃の働きにも関係しています。ストレスによって自律神経が過剰に刺激されてしまうのです。

人は、ストレスを感じると交感神経と副交感神経のバランスが変調をきたすことがあります。ストレスを感じると、副交感神経を通じて胃酸の分泌が増えてしまうことがあります。その一方で、ストレスは交感神経も刺激して、胃の血流量を減らして胃の粘膜の保護に役立つ胃粘液の分泌を抑えてしまいます。

ストレスによって胃粘膜の保護の力が弱っているところに、胃酸が過剰に分泌されてしまうことで、胃酸により胃炎や胃潰瘍を起こして胃痛が起こってしまうのです。

ストレスの耐性には個人差があるものの、ストレスの状態が続いてしまうと、ほとんどの方は胃痛を起こします。仕事でも家庭でもストレスを感じている方は、胃痛を起こす危険性が高いと言えるでしょう。

2章、胃の痛みによる危険度

胃痛には、危険性の低い胃痛と危険性の高い胃痛に分けられます。危険性の高い胃痛はすぐにでも病院で診察を受け、検査を受けなければ命に関わることがあります。

危険の低い胃痛と高い胃痛の見分け方について、詳しくみていきましょう。

2-1、危険性の低い胃痛

危険性の低い胃痛とは、一過性のもので、原因が明確な場合がほとんどです。危険性の低い胃痛の症状は、以下のようなものです。

・みぞおちが痛むがしばらくすると収まる
・一時的に胃の辺りが痛むが繰り返さない
・食べ過ぎた後の胸やけ・胃もたれ

上記の症状に当てはまるなら、基本的に危険性の低い胃痛と考えてよいでしょう。一時的に強いストレスを感じたケースや、脂っこいものを食べたケースで、胃痛を生じていると考えられます。

持続的にストレスを感じており、痛みが繰り返すようなら、危険性が高いことも考えられるため注意しましょう。また、日常的に脂っこいものを食べている場合は、胃以外の病気の発生リスクも高まりますから、食生活を改めることをおすすめします。

2-2、危険性の高い胃痛

次に、危険性の高い胃痛とはどのようなものか、症状をみていきましょう。

・みぞおちの痛みを日常的に繰り返している
・胃の辺りに長時間痛みが続く
・歩いたり、階段を上り下りしたりすると振動が胃に響く
・空腹の時、食後など一定の条件で現れる痛み
・腹部を指で押す、または指を離すと痛む
・発熱・下痢・嘔吐などを伴う痛み

上記の症状に当てはまる場合は、胃または他の消化器に何らかの病気が隠れているかもしれません。胃痛だからと言って、必ずしも胃だけに病気があるとは限りません。

胃に近い胆のうや十二指腸に病気があるケースや、心臓の痛みを胃痛と感じているケースもあります。こうした症状に当てはまる場合は、何かしらの病気の可能性を考え、早めに病院を受診し、検査を受けてください。

3章、胃痛を引き起こす代表的な病気

続いて、胃痛を引き起こす代表的な病気について紹介します。それぞれの症状や特徴についても詳しくご説明します。

3-1、急性胃炎

胃炎は胃の粘膜が炎症を起こした状態を指し、急性胃炎は名前の通り急性に発症するものを言います。代表的な症状は次の通りです。

・急激なみぞおち当たりの痛み
・吐き気
・胸やけ
・お腹の膨満感

急に胃がキリキリと痛み出し、胸やけや吐き気を感じた時は急性胃炎が疑われます。発生の原因はストレスのほか、細菌・ウイルス感染、アルコールの飲みすぎなどもあります。
症状にもよりますが、治療は胃酸の分泌を抑制する内服薬を使用するのが一般的です。

3-2、慢性胃炎

慢性胃炎の場合は、急性胃炎とは異なり、長期間にわたって胃酸の分泌が増加し、胃の粘膜が炎症を起こす病気です。一般的にはピロリ菌の感染との関わりがあり、胃がんを引き起こす原因ともされています。

慢性胃炎では次のような症状が起こります。

・空腹時の胸やけ
・食後のむかつき
・胃のもたれ

慢性胃炎では、胃の粘膜が損傷と修復を繰り返すことで、徐々に粘膜の萎縮を起こします。
日常的なストレスを感じている人に多いため、適度なストレス発散が大切です。

3-3、逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が逆流することで、食道に炎症を起こす疾患です。健康な人でも逆流を起こすことはありますが、逆流性食道炎は逆流の時間が長くなることで起こります。

成人の10人に1人程度が逆流性食道炎になっているとも言われ、日本人にとっては身近な疾患です。

逆流性食道炎の症状は次の通りです。

・胃の痛み
・むかつき
・胸やけ
・呑酸(ゲップをすると酸っぱいものが上がってくる)
・喉の奥の違和感

早食いをする人やアルコール・脂っこい物を好む人、食べてすぐ横になる習慣のある人に多い疾患とされています。ストレスで胃酸の分泌が過剰な人は、逆流性食道炎を起こすリスクが高いので要注意です。

3-4、ストレス性(神経性)胃炎

ストレス性(神経性)胃炎は、仕事や家事、人間関係のストレス、疲労、働きすぎなどが原因で起こる胃炎です。強いストレスを受け続けることによって、自律神経のバランスが乱れて胃の症状だけでなく、精神的な不調にも繋がる病気です。

日本人の5人に1人が抱えているとされており、現代人のストレス病として知られています。

代表的な症状は次のものです。

・胃痛や胃の不快感
・食後の胸やけ・むかつき
・お腹の膨満感
・不眠
・イライラ

胃の症状に加えて、不眠やイライラなどの精神的な症状が見られる場合、ストレス性胃炎の可能性があります。さらに悪化すると胃の症状だけでなく、精神的な症状も悪化し、うつ症状を発症することもあります。

3-5、胃・十二指腸潰瘍

胃・十二指腸潰瘍は、胃酸の分泌過剰によって粘膜の組織がはがれ落ち、胃壁に穴ができた状態を指します。本来、胃は粘液によって保護されていますが、ストレスなどの原因で胃粘液の分泌が減少し、胃液が組織を溶かしてしまうことで潰瘍が発生します。

胃・十二指腸潰瘍の代表的な症状は次のものです。

・みぞおち辺りの痛み
・空腹時または食後の胃痛
・胃もたれ・胸やけ
・吐き気・嘔吐
・吐血・下血

潰瘍が進行すると、胃痛に出血が伴うこともあります。その場合、タール便というどす黒い便が出る人が多いです。

胃の痛みと異様に黒い便が出た時は、胃・十二指腸潰瘍を疑いましょう。

3-6、機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアとは、胃痛や胸やけなどの症状が続いているのに、胃カメラなどの検査で異常が見つけられない状態を言います。胃炎や逆流性食道炎などの明確な所見がなく、説明できる病変がない場合に、「機能性ディスペプシア」と診断されることがあります。

症状は胃炎や胃・十二指腸潰瘍とも似ていますが、明確な所見が見つけにくいため、病院でしっかりと定期検査を受けましょう。

3-7、アニサキス症

アニサキス症は、魚介類に寄生する虫が感染することで起こる胃痛です。日本では魚の生食文化が一般的であり、サバやイカなどに寄生しているアニサキスが胃に入り、胃壁を食い破ることで激しい痛みを生じる病気です。

刺身や寿司を食べた後、数時間後に胃の辺りに激しい痛みを生じた場合、アニサキス症が第一に疑われます。加熱または冷凍された魚介類は安全ですが、生の魚介類を食べる際は、よく噛むことで発症のリスクが抑えられます。

3-8、胃けいれん

胃けいれんは病気の名称ではなく、胃の筋肉が異常に緊張して痛む症状のことを言います。症状はみぞおちを中心に痛みの発作が起こり、短ければ数分、長ければ1~2時間続くこともあります。

胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの病気に付随して起こることが多いです。また、強いストレスや緊張を感じたことで起こる場合もあり、原因は様々です。

4章、胃痛に行う検査内容

胃痛を抱える患者様向けに行う検査内容を紹介します。

4-1、胃内視鏡検査(胃カメラ)

胃痛がストレスで生じているものであっても、胃の中に何らかの病変が現れている可能性は高いです。胃内視鏡検査を行うことで食道から胃の内部まで詳細に確認でき、異常がある場所やどのような病気があるかを正確に理解できます。

当院は「手術でわかるいい病院2023」にも紹介されており、胃内視鏡検査と治療で高い評価を得ています。胃痛を感じておられる方は、当院の胃内視鏡検査をご利用ください。

関連コラム:当院が手術数でわかるいい病院2023に紹介されました

4-2、腹部超音波(エコー)検査

腹部超音波(エコー)検査は、専用の超音波検査機器を腹部に当てることで、肝臓や膵臓、胆のうなどの臓器を検査できます。胃内視鏡検査のような大変な思いをすることがなく、レントゲン検査やCTのように被ばくのおそれもありません。

痛みに弱いお子様や高齢な方でも、安心して受けられる検査です。

当院の腹部エコー検査検査は、熟練した超音波検査士がおこなっています。検査をご希望の方は、下記よりお進みください。

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4-3、血液検査

血液検査では、炎症や貧血、腫瘍マーカーなどを検査できます。胃炎や胃・十二指腸潰瘍などに伴う胃痛であれば、炎症や貧血を起こしている可能性もあるため、血液検査によって病気の診断をスムーズに進められます。

まとめ

ストレスによる胃痛では、他にも色々な症状を伴うことがほとんどです。ストレスによって自律神経が刺激されれば、胃炎や胃潰瘍など辛い病気の引き金になることも多いです。
胃痛を軽い症状と考えずに、早めの病院受診を心掛けてください。

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