消化器内科看護師のやりがいは？キャリアプランも解説

消化器内科看護師に興味を持っているものの、具体的な仕事内容が分からない人は多いかもしれません。消化器内科看護師の仕事内容は幅広く、内容を知ることで「消化器内科看護師で働いてみたい」という気持ちが強くなることでしょう。

本記事では、消化器内科看護師の役割ややりがいをご紹介します。また、消化器内科看護師に向いている人の特徴やおすすめの資格もご説明しますので、ぜひ参考にしてください。

消化器内科とは？

前提として消化器内科とは、消化器系の臓器を内科的に診療する科のことです。上部消化管では食道、胃、十二指腸、下部消化管では小腸、大腸、直腸、肛門、また膵臓、肝臓、胆のうなどが診療対象になります。これらから分かる通り、消化器内科は対象臓器（対象疾患）が幅広く、あらゆる専門知識が必要（身につく）ことも魅力です。

なお、消化器内科と内科の大きな違いは、専門性の深さと幅広さです。消化器内科では、一般的な内科の内容から一歩踏み込んで、内視鏡検査を提供することもあります。どちらにも優劣はないものの、内科と比較した場合はより専門的な診療を提供していることが消化器内科の特徴です。

消化器内科看護師の役割

消化器内科の仕事内容は多岐にわたります。そのため、消化器内科は多くの役割を全うすることになります。代表的な役割は下記のとおりです。

消化器内科の患者様は、炎症や出血を改善する目的で絶食期間があります。絶食中は経管栄養や静脈点滴にて栄養補給を行います。加えて、がんの患者様に関しては痛みをコントロールしたり栄養管理を行ったりするため、CVカテーテルを使用することもあります。これらの点滴ラインは、患者様の健康状態に影響を及ぼすため、消化器内科看護師としての大きな役割の1つです。

また、消化器系の患者様で慢性的な対応が必要な場合は、患者様自身で自己注射や内服管理を行う必要があります。患者様が誤ることがないよう、看護アセスメントに基づいてサポートするのも消化器内科看護師の役割です。それぞれの患者様の状況を細かく理解し、適切にアプローチするスキルが求められます。

消化器内科看護師のやりがいとは？

ここまで解説した通り、消化器内科看護師の役割は重大であり、対応範囲も幅広いです。こういった消化器内科看護師のやりがいはどのようなものでしょうか。当院で働く看護師にやりがいを伺ったところ、最も大きなやりがいは下記の4つでした。

それぞれ順番に見ていきましょう。

幅広いスキルが身につく

消化器内科看護師として働くことで、下記のようなスキルを身につけることが可能です。

消化器内科は、終末期医療や栄養管理に関する知識が必要であり、現場経験を通じてこれらを学ぶことができます。また、消化器内科の疾患は必然的に全身状態の観察も必要であるため、他の診療科でも活かせる幅広いスキルが身につくというやりがいがあります。

指導力（コミュニケーション力）が高まる

消化器内科看護師として働くことで、指導力やコミュニケーション力が高まることもやりがいの1つです。消化器内科では、糖尿病、高血圧、肝臓疾患などを抱えている患者様に対して、生活習慣病対策の指導も行います。指導をする中で「食事バランス」「禁煙治療」「アルコール依存症」「運動方法」といった知識が必要になりますが、知識があるだけでは患者様の行動は変わりません。

看護師自身が知識を付けた上で「どうすれば患者様が行動してくれるのか」を、看護師自身が常に考えられる環境で仕事を行えます。こういった、患者様を第一に考え、寄り添いながら考える力は他の診療科でも必ず活きてくるスキルです。

アセスメント力が向上する

消化器内科看護師は、他の診療科と比較してアセスメント力が向上しやすいこともやりがいの1つです。

※）看護アセスメントとは、客観的情報（医師や看護師の情報）と、患者様（対象者）から得た主観的情報を解釈し、看護上の問題を分析すること

消化器内科の対応範囲は幅広く、看護師自身が見るべき患者様の情報も多いです。常に患者様の全身状態や検査データ、症状を見ながら次のケアを考えるため、自然と経験や分析力を身に付けられるというメリットがあります。

日々、他の看護師や医師との連携を図りつつも、自分自身でも日々のケアの分析を行い、次の看護に活かしていくことが消化器内科看護師に必要なスキルと言えるでしょう。

患者様から喜びの声をかけてもらえる

消化器内科看護師に限らず、看護師の仕事は大変で難易度が高いものです。ときにはやりがいを感じられず、ストレスが日々大きくなっていくこともあるでしょう。消化器内科は、基本的に長期で入院する患者様が多いため、いつも診ていた患者様の症状が緩和され、退院するときには看護師自身も喜びを感じられるものです。

また、患者様から「あなたが診てくれたおかげで良くなった」「今まで本当にありがとう」という声を掛けてもらえることもあり、看護師としてのやりがいを感じられる瞬間も多いです。

アセスメント力を向上させたり、指導力を身に付けたり、看護師としての大きな喜びを感じたりしたい人は、一度消化器内科看護師を検討してみてはいかがでしょうか。

消化器内科看護師が向いている人の特徴

消化器内科では、患者様の症状や病態を適切に把握する知識はもちろん、患者様に指導するためのコミュニケーション力が必要となります。そのため、下記の特徴を持っている看護師は消化器内科が向いていると言えるでしょう。

それぞれ順番に見ていきましょう。

コミュニケーション力が高い

消化器内科の患者様の中には、患者様自身ではそこまで大きな症状と捉えておらず、細かな病態の変化を看護師に報告（申告）しないケースもあります。しかし、それが思わぬトラブルや大きな疾患に繋がってしまうケースもあり、決して見逃せません。

そこでコミュニケーション能力が高い看護師であれば、僅かな患者様の変化を感じ取ったり、会話の中から変化のきっかけを見つけたりできます。

また、長期的に入院することが多い消化器内科では、コミュニケーション力が高い看護師のほうが信頼されやすいという側面もあります。

冷静に状況を分析できる

消化器内科は、冷静に状況を分析できる看護師が向いています。消化器疾患は症状が似ているものも多く、細かな違いには気づきづらいものです。たとえば、患者様が腹痛の症状を抱えていたとしても、患者様が服用している薬や基礎疾患の有無、病態によって看護師が取るべき行動はまったく異なります。

こういった際に冷静に患者様を分析し、どのような対応が必要であるかを考えられる消化器内科看護師は消化器内科に非常に向いています。医師への報告が1秒でも遅れてしまうと取り返しのつかない事態に陥る可能性もあるため、細やかな配慮ができる看護師が求められるでしょう。

消化器内科看護師におすすめの資格一覧

これから消化器内科看護師に挑戦してみようと思った際に、将来的なキャリアアップや、日々の看護に役立つ資格がないかと悩む看護師も多いかもしれません。一般的な看護師資格・知識のみでも消化器内科で働くことはできますが、下記いずれかの資格を持っておくと活躍の幅が広がります。

上記の中でも、特に消化器内視鏡技師は優先的に資格の取得を検討すると良いでしょう。消化器内視鏡技師の役割や仕事内容としては、内視鏡洗浄、消毒、管理、検査時（治療時）の介助、上部・下部内視鏡検査の前処置などが挙げられます。

近年では、静脈麻酔（鎮痛剤）によって、痛みが軽減された上で内視鏡検査を行うことが可能です。しかし、患者様からしても「痛みがあるのではないか」「サポートが欲しい」と思うケースは多いため、そういったときに看護師自身が消化器内視鏡技師の資格を持っていれば、患者様の安心感に繋がります。

消化器内科に勤め、すぐに取得する必要はありませんが、キャリアアップやよりレベルの高い看護を提供したい場合は取得を検討してみましょう。

消化器内科看護師として働きたい場合は当院へ

井口病院では、消化器内科看護師を募集しております。

内視鏡検査、健康診断・人間ドックを中心に消化器内科の診療を提供しており、一緒に働いていただける看護師の方を募集中です。

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