なぜ女性に便秘が多いのか?原因や生活習慣のポイントも解説!

「便秘になる原因を知って改善させたい」
「病気が原因で便秘になることもある?」

以上のような悩みや疑問はありませんか?

ひと口に便秘といっても、さまざまな原因が考えられます。便秘によっては、病気の可能性もあるため注意しましょう。腹痛が続いたり、吐き気を感じたりする場合は、腸閉塞(イレウス)や大腸がん、腸捻転などの可能性もあるため、すぐに医療機関を受診することをおすすめします。

この記事では便秘の原因について詳しく解説します。また男性よりも女性が便秘で悩むことの多い理由や、便秘になりやすい生活習慣、急におこる便秘の原因についても説明するので、ぜひ最後までご覧ください。

1章、便秘の原因はさまざま

便秘の原因には、さまざまなことが考えられますが、大きく分けて以下の2つの原因に分類されます。

・機能性便秘(きのうせいべんぴ)
・器質性便秘(きしつせいべんぴ)

機能性便秘と器質性便秘では、それぞれ便秘が起こる経緯が異なります。それぞれについて解説したいと思います。

1-1、機能性便秘とは

便の通り道となる大腸は自律神経という神経によって支配されています。大腸の動きは、この自律神経によって調整されています。自律神経のバランスが乱れてしまうと便秘症状が起こります。

この自律神経が原因で起こる便秘症を機能性便秘と言います。機能性便秘は、文字通り自律神経の機能が正常に働かないことで起こります。機能性便秘には、さらに細かく分類されていますので、次の章で解説したいと思います。

1-2、器質性便秘とは

器質性便秘は、様々な病気などが原因で便の通りが悪くなる便秘症です。器質性便秘では、いわゆる通過障害が大腸内で起こることで便が進まなくなってしまいます。

器質とは、「臓器や器官に認められる形態的・解剖的性質」という意味で、大腸という臓器に解剖学的な問題が生じているということになります。器質性便秘については、3章で詳しく解説したいと思います。

2章、機能性便秘は原因によって3タイプに分類される

機能性便秘は原因によって、次の3タイプに分類されます。

・弛緩性便秘
・けいれん性便秘
・直腸性便秘

各タイプの便秘を引き起こす原因や症状などについて解説します。

2-1、弛緩性便秘|蠕動運動の低下が原因

弛緩性便秘は大腸の蠕動(ぜんどう)運動の低下が原因で起こる便秘です。蠕動運動とは、大腸が縮んだり、伸びたりして便を肛門まで移動させるための運動です。

大腸の緊張が緩んで蠕動運動がうまく行われなくなると、腸の内容物がスムーズに送り出されなくなるため、便が大腸内に長く留まります。その結果、大腸が水分を過剰に吸収して便が硬くなることで、排便がしづらくなり便秘になります。

2-2、けいれん性便秘|大腸の過緊張が原因

大腸の過緊張が原因で、けいれん性便秘になることがあります。大腸は副交感神経が優位になると緊張します。副交感神経とは、自律神経の一種で主に内臓を動かす役割のある神経です。

自律神経のバランスが乱れて、過度に副交感神経が優位になると大腸も過度に緊張して、コロコロとした硬い状態で便が排出されます。心身のストレスや環境の変化などで自律神経が乱れると、けいれい性便秘につながる可能性があります。

2-3、直腸性便秘|直腸での便の停滞が原因

直腸性便秘は、直腸に便がたまっておこります。排便を我慢する状態が続くと、排便反射が起こりにくくなり、便が直腸にたまりやすくなるのです。

排便反射とは、排便したいという感覚が生じて、肛門が緩み排便できる状態になる現象です。直腸にたまった便が固まると、排便が困難になり便秘になります。

排便することに恥ずかしさを覚える方や寝たきりの高齢者、痔の痛みが気になる方などが排便を我慢する傾向にあります。

3章、器質性便秘は便の通過障害が原因でおこる

器質性便秘とは、大腸や小腸などの消化管で便の通りが悪くなって起こる便秘です。たとえば次のような病気が原因で、便の通りが悪くなります。

・腸閉塞(イレウス)
・大腸がん
・お腹の外科手術

以上のような病気などが原因で起こり得ます。一つ一つ解説していきたいと思います。

3-1、腸閉塞(イレウス)

腸閉塞とは、なんらかの原因で腸が塞がってしまい、内容物が流れなくなった状態を指します。腸閉塞の原因としては下記のようなものが挙げられます。

・腫瘍(がん)
・腸捻転
・腸重積
・ヘルニア
・宿便(糞便イレウス)

上記のようなものが原因となり腸が塞がってしまうことがあります。治療としては、イレウスチューブというものを大腸内に留置して便の流れを一時的に作ることができます。根本的な治療としては、原因を取り除く必要があります。

3-2、大腸がん

大腸がんが進行すると狭窄といって大腸の通り道が狭くなってしまいます。便が全く通らなくなってしまう場合には、腸閉塞となってしまします。

大腸がんの検査としては、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が必要となります。腸閉塞が疑われる場合には、大腸内視鏡検査の前処置(下剤内服)の前にCT検査や超音波検査でお腹の状態を確認する必要があります。

3-3、お腹の外科手術

お腹の手術の後には、腸管の癒着という問題があります。癒着がひどい場合には、腸閉塞になることもあります。このような場合を癒着性腸閉塞と言います。

大腸がんの手術後には、吻合部が狭窄することが稀に起こります。この吻合部狭窄とは、大腸がんを切除した後に腸管と腸管をつなぎ合わせた部位である吻合部が狭くなってしまうことを言います。狭窄が強い場合には、腸閉塞となる可能性もあります。

以上のように器質性便秘は、様々な治療を要する病気が原因でおこります。上記のような代表的な原因を解説しましたが、便秘が続く上に、激しい血便や腹痛、嘔吐を伴う場合は器質性便秘の可能性があるので、すぐに医療機関を受診することが大切です。

器質性便秘の方が下剤を服用すると、腸に穴が空く「腸管穿孔(ちょうかんせんこう)」と呼ばれる状態になる恐れがあります。独断で下剤を服用しないように、注意してください。4章、男性よりも女性に便秘が多い理由

4章、男性よりも女性に便秘が多い理由

厚生労働省が行う国民生活基礎調査によると、便秘になる方の割合は男性が25.4%であったのに対し女性は43.7%でした。(参考元:2019年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

つまり、女性は男性よりも便秘になりやすいことが分かっています。では、なぜ女性は便秘になりやすいのでしょうか。女性が便秘になりやすい理由としては下記のようなものが挙げられます。

・女性ホルモンが影響するため
・ダイエットに取り組む女性が多いため
・男性よりも筋力が弱いため

一つ一つ解説していきたいと思います。

4-1、女性ホルモンが影響するため

女性ホルモンの一種である「黄体ホルモン(プロゲステロン)」は、大腸の蠕動運動を抑える作用があります。また体内に水分をためようとする働きもあるため、大腸で水分が吸収されやすく便が硬くなる傾向にあるのです。蠕動運動が抑えられたり、便が硬くなったりすると、排便がしづらくなるので便秘になります。

4-2、ダイエットに取り組む女性が多いため

ダイエットに取り組む女性が多いため、便秘傾向にあると考えられます。株式会社タニタの調べによると、ダイエット経験があると答えた男性が36.2%だったのに対し、女性は52.8%にも上りました。(参考元:生活習慣の変化とダイエットに関する調査 2022|株式会社タニタ

ダイエットによる食事制限で食事量が減ったり、食物繊維を食べる機会が減ったりすると、便のカサが減って便秘になりやすくなります。また摂取する水分の減少で、便が硬くなることも便秘の原因です。

4-3、男性よりも筋力が弱いため

女性は男性よりも腹筋などの筋力が弱い点も、便秘になりやすい要因の1つです。腹筋の力が弱いと、便を押し出すために必要ないきむ力が不足して、便が腸内にたまりやすくなります。筋力の弱さが原因でおこる便秘は、女性だけではなく高齢者も悩まされる症状です。

5章、便秘になりやすい生活習慣

ここでは便秘になりやすい生活習慣について紹介します。便秘の原因をチェックして、生活習慣の改善にお役立てください。

便秘の原因と夏生活習慣としては、下記のようなものが挙げられます。

・偏った生活習慣
・心身のストレス
・運動不足
・水分不足

一つ一つ解説していきたいと思います。

5-1、偏った食習慣

偏った食習慣は便秘になる一因です。たとえば、肉や脂質の多い食べ物ばかりを食べると、腸内環境を悪化させ便秘の原因になります。便秘を予防するためには、ヨーグルトや味噌、納豆などの発酵食品を食べて腸内の環境を整えることも必要でしょう。

他にも根菜類や大豆、海藻類などの食物繊維を多く含む食品をとると、大腸の蠕動を促せるため、便秘予防につながります。

5-2、心身のストレス

心身のストレスを過剰に抱えると、自律神経のバランスが乱れて胃腸の動きが鈍くなります。その結果、便秘がちになったり、過敏性腸症候群と呼ばれる便秘と下痢を繰り返す症状が現れたりするため注意しましょう。

たとえば、疲れたら休暇をとったり、リラックスできるような習慣を身に付けたりしてストレスケアを心がけることをおすすめします。

5-3、運動不足

運動が不足すると腹筋が衰えたり、腸の動きが悪くなったりして便秘になる可能性があります。無理のない程度に腹筋を鍛えたり、ウォーキングをしたりして便通を改善しましょう。

しかし仕事が忙しいと、なかなか運動の時間が取れない方も多いのではないでしょうか。そのような場合は、駅で階段を利用したり、デスクワークの合間に腰をひねったりして、できる範囲で簡単に体を動かすとよいでしょう。

5-4、水分不足

水分が不足すると、便が硬くなってスムーズに流れづらくなるため、便秘になりやすくなります。一方で水分を含んだ便はカサが増すため、腸を刺激して便意をもよおしやすくなります。

とくに起床直後は不足しがちなので、水分摂取を心がけましょう。朝から水を飲むと、便意を促す効果も期待できるため、習慣にするのもおすすめです。

6章、急におこる便秘の原因

急におこる便秘は、大腸がんが原因の場合もあります。大腸がんが大きくなると、腸内の便通をがんが邪魔をするため便秘になるのです。大腸がんが進行すると、次のような便秘の症状が現れます。

・便が硬くなる
・強くいきまないと排便できない
・腹痛や腹部の張り、吐き気がある

以上のような症状があり、急な便秘が続く場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。次の記事では、大腸がんの症状や検査について解説していますので、参考にしてください。

急に起こる便秘症状は大腸がんかも!?症状や必要な検査も合わせて解説

まとめ

今回は便秘の原因について解説しました。本記事のポイントとしては下記のようになります。

・便秘の原因によって機能性便秘と器質性便秘に分類できる
・機能性便秘には弛緩性とけいれん性、直腸性の3タイプがある
・器質性便秘は消化器の病気が原因で便の通りが悪くなっておこる
・女性が男性よりも便秘になりやすい理由には、女性ホルモンやダイエット志向、筋力不足が影響している
・急に起こった便秘はがんの可能性もあるため病院を受診した方がいい

以上の他にも便秘になりやすい生活習慣について4つ紹介しました。まずは生活習慣をチェックして、少しずつ便秘を改善してみてください。

便秘が続く場合には、大腸の検査が必要です。便秘でお悩みの方は、ぜひ外来にてご相談ください。

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