急性膵炎(きゅうせいすいえん)について解説します

アルコールが主な原因

ビールアルコールや膵管の閉塞により膵臓に炎症が起こる病気を膵炎といいます。男性ではアルコールが原因であることが多く、女性では胆石による膵管の閉塞が原因であることが多いです。男性は、女性の約2倍の頻度で急性膵炎にかかっています。急性膵炎は、上腹部に急性の腹痛を認め、採血検査でアミラーゼやリパーゼなどの異常値を認め、さらに腹部エコーやCT検査などの画像検査で膵臓に異常な所見を認めるなどの場合に急性膵炎と診断されます。 急性膵炎は重症化すると非常に予後の悪い御病気の一つと言われており適切な初期対応が望まれます。検査の他にも問診や触診、バイタルの変化なども重要な情報です。急性膵炎の40%がアルコール摂取によるものと言われています。アルコール摂取後に腹痛や背部痛などの膵臓の炎症による疼痛がある場合には急性膵炎が疑われます。

その他の原因

膵管の閉塞による急性膵炎の場合には、胆石が下部胆管に詰まることで膵管の出口を閉塞することがあり、これを胆石性膵炎といいます。胆石性膵炎の場合には、詰まった胆石を除去する必要があり、緊急で内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を行い胆石を除去する必要があります。
稀ではありますが、中性脂肪(トリグリセリド)が高い方も注意が必要です。中性脂肪が、1,000~2,000mg/dlを超えると急性膵炎の発症率が増加すると言われています。健康診断で中性脂肪が高くお酒を多量に飲む方は注意が必要なご病気の一つと言えます。

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