慢性膵炎(まんせいすいえん)について

慢性膵炎とは

慢性膵炎は、膵臓に炎症が慢性的に起こることで生じるご病気です。
膵臓に慢性的な炎症が起こると、膵臓の組織に線維化や石灰化という変化が生じます。そうすると膵臓の機能が低下していきます。膵臓の機能が低下すると、膵臓機能である消化酵素やホルモンの分泌(インスリンなど)などが低下することで、糖尿病や消化吸収障害などの悪影響がでてきます。そのような状態になると下痢、栄養状態の悪化、体重減少など身体に様々な影響が生じます。

慢性膵炎の原因

ビール慢性膵炎は、アルコールの慢性的な過剰摂取により生じることが多いと言われています。とくに男性に多い傾向があります。女性の場合は、特発性といい原因が不明であることが多いと言われていますが、近年では女性のアルコール摂取率の上昇に伴い女性でも慢性膵炎の方が増えています。男性に比べ女性の方がより若年で膵炎になりやすいというデータもあり、アルコールの影響が女性の方がより強く出やすいということが言えると考えられています。女性で日常的にアルコールを摂取される方は注意が必要と考えられます。

慢性膵炎の診断と治療

慢性膵炎の診断は、病歴・飲酒歴・身体所見・上腹部痛などの症状・採血検査・腹部エコー検査・CT・MRCPなどの画像検査を中心に行います。
慢性膵炎の治療は、基本的には禁酒・禁煙・脂肪食の制限などの保存的治療が中心となります。腹痛や背部痛などの症状がある場合には鎮痛剤で痛みのコントロールをします。また、膵機能が低下し糖尿病のある方には、糖尿病の治療が必要となります。

画像検査


診察室慢性膵炎は、膵がんを合併することが多いと言われているため定期的な画像検査をする必要があるといわれています。慢性膵炎と言われたかたで定期的な診察を受けられていない方は、一度専門外来でご相談ください。

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